2021年7月、静岡県熱海市で起きた土石流災害。被災した熱海市伊豆山の逢初橋周辺は当時大量の土砂に埋もれていた。この橋のたもとで災害のあとに開店したカフェ「あいぞめ珈琲店」が1周年を迎えた。店に飾られた来店客からのメッセージは当初多かった「ガンバレ」などの応援から「景色がきれい」「熱海が好きになった」と変わってきているという。
人と人とを繋ぐ場所に

熱海市伊豆山、「逢初橋」のたもとにある「あいぞめ珈琲店」。明かりがふりそそぐ店内からは、熱海の海が一望できる。

そして、ここでは、こだわりのコーヒーや厚切りのフレンチトースト、季節限定のソフトクリームサンデーなどが提供されている。

店の利用客からも、「内装や雰囲気もすごくよくて、景色もすごくいいので、居心地がいい」「店員さん2人も気さくに話しかけてくれてフレンドリーなところも気に入ってます」と評判も上々だ。

「人と人とを繋ぐ場所を」という願いからオープンしたこのカフェは、4月15日で1周年を迎えた。
熱海土石流 犠牲者28人

2021年7月、伊豆山を襲った大規模な土石流。28人が命を落とし、1年9カ月経っても、132世帯227人が避難生活を続けている。

住民同士のつながりが薄れていく―。地元のボランティア団体が、「交流の場所を」と作ったのが、この「珈琲店」だった。

伊豆山では安全を守る対策が進められ、立ち入りできない「警戒区域」も9月1日に解除されることになった。住民の帰還が始まる。
オープン1年 来店客の意識に変化も

「熱海に通いたいカフェができました」「きれいな海と空と笑顔と」店内には飾られているのは、来店客によるメッセージだ。

あいぞめ珈琲店・中野 裕基 店長:
最初は災害とか頑張れという言葉だったんですけど、それからコーヒーのことや景色のこと、熱海が好きになりましたとか、そういうことが書いているので、来る方も変わってきているのかなというのが印象的です。僕らができることは少ないと思うので、ここに来れば誰かに出会えるとか、新しい趣味が見つかるとか来たら何か得られる場所になれればと思っています
(テレビ静岡)