地図情報の提供を行う会社がSNSで「日本一防御力の高い学校」として紹介したのが、新潟県上越市の高田城址にある上越教育大学附属中学校。どのような経緯で城跡に学校ができたのか…歴史的背景を探った。
日本一"防御力"が高い学校?が話題に
地図情報の提供など行うゼンリンが3月、公式ツイッターでつぶやいていたのが…
ゼンリン：
日本で1番防御力の高い学校はお堀に囲まれている上越教育大学附属中学校でよろしいでしょうか?
話題の学校を上空から見てみると、学校は二重のお堀に囲まれ、さらに外側には川がある。
かつて高田城があったため、自ずと防御力が高くなっている上越教育大学附属中学校。
ゼンリンの公式ツイッターの担当者に話を聞くと、城跡がグラウンドになっている学校や、城跡から少し離れた場所に校舎がある学校はあるものの、上越教育大学附属中学校のように城跡の中心にある学校は全国的に珍しいという。
なぜ城跡に学校?その歴史は…
その歴史を紐解いていくと…
郷土史研究家 植木宏さん：
素通しできないようになっている。絶えず土塁とか障害物があって先が見えないというのが城の造りですからね
こう話すのは高田城の歴史に詳しい植木宏さん。
郷土史研究家 植木宏さん：
防御・戦闘的な形で警備が厳しいというかほとんど土塁囲んでいたんですね
高い防御力を誇った高田城は城としての役目を終えると、明治維新以降は城跡に別の役割が与えられた。
郷土史研究家 植木宏さん：
軍隊が入ってきた時に古い橋を壊して土塁を壊して盛って土の橋にしてしまった。常時兵隊さんが鉄砲を持っていてちょっと怖かった
終戦後に国有地となり中学校が開校
明治時代から高田城址が日本軍の所有地となると、大正時代には軍の司令部が置かれる。終戦後は国有地となり、後の新潟大学附属中学校が開校。1981年に現在の上越教育大学附属中学校へと姿を変えていった。
郷土史研究家 植木宏さん：
敗戦後はこういう場所は市民の憩いの場所にしなければいけないということでそういう声が大きかった
高田城の築城から今年で409年。
郷土史研究家 植木宏さん：
こういう土塁があって晴れ晴れとして城址跡を市民の宝として残していきたいという考え方が優先したと思う。こういうところに囲まれて子どもたちが勉強するのは本当に恵まれていると思う
SNSで話題の学校は、城を守る場所から子どもたちを守る場所へ、様々な変遷を経て「防御力の高い学校」となっていた。
(NST新潟総合テレビ)
