花粉症による経済損失が莫大だとして、岸田文雄首相は花粉症対策の関係閣僚会議を開催すると表明した。

夕日の周りに虹色に輝く光の輪
夕日の周りに虹色に輝く光の輪
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3月、山並みに沈む夕日。その周りを、虹色に輝く光の輪が彩っている。

これは「花粉光環」と呼ばれる現象で、空に飛び散る花粉によって作り出される。

この「花粉」が原因となる花粉症により、仕事に支障が出ることで起こる経済の損失は、1日約2215億円だという。

国会で語る岸田総理
国会で語る岸田総理

岸田首相は、3日の国会でこう語った。

岸田文雄首相:
もはや我が国の社会問題と言っていいような問題である。

さらに、「関係閣僚会議を開催する」と表明した。ところが、4日の会見で野村農水相は驚きの声を上げた。

野村哲郎農水相​:
我々は、全く知らぬ存ぜぬで、びっくりしたんですが。どこがイニシアチブをとって、この関係閣僚会議をするのか。(予防・治療の)厚労省なのか、あるいは発生源を作っている農水省なのか。

厚生労働省は予防・治療の管轄で、農林水産省は発生源対策の管轄。そして環境省は、飛散観測が管轄。様々な省庁が花粉の対策を行っているが、いわゆる“縦割り”行政の問題が立ちはだかった。

30年前には“通称ハクション議連”も

政界では、これまでも花粉症を何とかしようとしていた。

約30年前の1995年。自民党に“通称ハクション議連”ができた。

その10年後の2005年には、当時の小泉純一郎首相が、内閣府に「対策研究検討会」を立ち上げた。

しかし、いずれも尻すぼみになった。

花粉光環で夕日に光の輪が発生している
花粉光環で夕日に光の輪が発生している

「花粉光環」の光景が消えるのは、いつになるのか。

複数の政府関係者によると、松野博一官房長官をトップに、花粉症対策の初めての関係閣僚会議を来週後半にも開く方向で調整しているという。

(「イット!」 4月5日放送より)