ICT・情報通信技術はいやま様々な分野で使われている。静岡県の特産品・ワサビの安定生産を目指し、ICTを活用した試験的なハウス栽培が、静岡市葵区で始まっている。目指すのは「誰もができる栽培システム」を作り上げることだ。

自動制御で栽培

ハウス栽培されているワサビ(静岡市葵区)
ハウス栽培されているワサビ(静岡市葵区)
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ハウス内に植えられたワサビ1230株。温度や湿度などすべて自動で制御されている。

ICT化により自動化
ICT化により自動化

ICTを活用した畑ワサビの栽培は、静岡県の老舗ワサビ店の田丸屋本店や野菜の生産や販売を行う鈴生、それにNTT西日本の3社が提携し、3月10日から行われている。

田丸屋本店は収穫したワサビの販売や成分分析を、鈴生は栽培用施設の準備や栽培、収穫、出荷を、NTT西日本はシステムの運用自動化が可能な栽培環境の構築をそれぞれ担っている。

2種類のワサビ栽培方法

栽培されているワサビ
栽培されているワサビ

ワサビの栽培には主に水ワサビ(沢ワサビ)と畑ワサビに分けられる。この取り組みでは、畑ワサビといわれる栽培方法で育てる。

畑ワサビと水(沢)ワサビの違い
畑ワサビと水(沢)ワサビの違い

水ワサビは主に根を食す。刺し身などにすりおろして使うのは、水ワサビだ。栽培期間は一般的に1年6カ月ほど。

一方、畑ワサビは葉や茎を食す。栽培期間は一般的に6カ月ほど。

畑ワサビを平野部で

ワサビの栽培は18℃から20℃が最適な温度とされている。そのため、平野部での畑ワサビの栽培は難しい。

需要はあるものの安定的な供給体制が整っておらず、担い手も不足している。平野部で安定的な生産ができれば、流通や雇用などの課題解決にもつながるという。

鈴木社長「誰もができる栽培システムのチャレンジを」
鈴木社長「誰もができる栽培システムのチャレンジを」

鈴生・鈴木 貴博 社長:
どんな農業者でも、チャンスを与えられるようなきっかけ作りになれればいいなと。今回は2社の力を借りて、誰もができる栽培システムに着目してチャレンジを進めていきたいと思っています

試験栽培は2年間行われる予定で、年間2tほどの収穫を見込んでいる。

ICTを使った新たな試みに注目が集まりそうだ。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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