交通事故の歩行中の死傷者を年齢別にみると、7歳が突出して多いそうだ。静岡県警の分析だ。7歳というと小学校の1年生か2年生だ。こうした分析を踏まえ、入学前に親子で通学路を歩き、楽しみながら安全チェックをしてもらおうという取り組みが行われている。
ゲーム感覚で通学路の安全確認を

2023年2月28日、静岡県伊豆市のこども園に届けられたのは、通学路の安全を確認するチェックシートだ。
その名も「どきどきチャレンジシート」。 大仁警察署と防犯協会が作成した。

大仁警察署 生活安全課・稲葉 正人 課長:
安全に横断歩道を渡れたかなど簡単なチェックをしながら、ゲーム感覚で安全を確認できたらいいなと思って作りました

チェック項目は7つだ。
「上手に横断歩道を渡る」、「信号の約束を守る」、「駐車場の出入り口に気をつける」など交通安全に関する項目や、「かけ込み110番の家を見つける」、「“いかのおすし”の合言葉を覚える」など不審者への対応などが盛り込まれている。

7つをクリアできたら、保護者から子どもたちに、ハンカチや防犯用の笛をプレゼントしてもらう。
交通安全の項目が多いのは、特にこの年代の子供たちに事故が多いからだ。
入学後の小学1年生に事故多発 登下校に注意

静岡県警の、過去10年間(~令和4年)の交通事故の分析が興味深い。
歩行中の死傷者を年齢別にみると、7歳が突出して多い。小学1年生か2年生だ。

小学生の歩行中の死傷者を学年別にみると、1年生と2年生で半分以上だ。
その1・2年生の死傷事故を通行目的別にみると、半数近くが登校や下校中に起きている。

さらに小学生の歩行中の事故を月別にみると、新学期になる4月から増加傾向になり、1年生が学校に慣れ始める6月に1回目のピークとなる。
小学1年生の入学したての時期は事故が多く、それも登下校中に多いことを、データが示している。
親子で通学路を歩く

4月の小学校入学を控え、淺川大豊(ひろと)君はお母さんと一緒に小学校までの通学路をチェックした。 新しいランドセルを背負って、やる気満々だ。
交通安全指導員:
横断歩道の渡り方、それから道路を歩く時、あとは駐車場。ここに気を付けてね。頑張れそう?

これまでこども園で習ってきた交通ルールをおさらいして、いよいよ出発だ。
横断歩道は左右を確認して、しっかりと手を上げて渡る。

不審者役の警察官:
ねえねえ、お菓子買いに一緒に行かない? 車があるから一緒に行こう
警察官が扮する不審な男が現れた。 こんな時に頼りになるのは「かけこみ110番の家」だ。

警察官:
困った時はそこ(かけこみ110番の家)に入って、お店や家の人に何があったのかを説明してね
かけこみ先を引き受けてくれている店の人にも挨拶した。

防犯の標語「いかのおすし」も、こども園で習った。
警察官:
「いかない、のらない、おお声を出す、すぐ逃げる、しらせる」、この5つで「い・か・の・お・す・し」ね
ここまでクリアできた項目にシールを貼る。
保護者向け防犯アプリも活用して

保護者向けの防犯アプリもある。
大仁警察署 生活安全課・稲葉 正人 課長:
これが「どこでもポリス」というアプリで、地図情報で危険箇所を確認できます。「過去3カ月以内に不審者情報がない」とか、「朝方 人身事故があった」とかを、あらかじめ確認できます。通学路上で最近、交通事故が結構あるんです

駅前を過ぎれば 学校はもうすぐ。駐車場の出入り口も気を付けなければならないポイント。
母・尋美さん:
車が出るかな、出ないかな。(運転手さんが)「行っていい」と言っているよ。「ありがとう」って、お辞儀してね
大豊くんは、きちんとお辞儀する。
母・尋美さん:
ここも横断歩道だよ、ストップ。 右を見て、左を見て、もう1回右見て。もうすぐだね

無事小学校に到着した。
大豊くんはチェック項目をすべてクリアし、プレゼントのハンカチをもらった。

母・尋美さん:
普段 車が多いので(入学前に)練習しなければと思っていたので、(きょうは)いい機会をいただいたと思います

大豊くん:
(Qきょうはどうだった?)楽しかった。(Qちゃんと学校に行けそう?)うん

大仁警察署 生活安全課・稲葉 正人 課長:
子供も保護者も入学前は不安だと思います。「チャレンジシート」や「どこでもポリス」のアプリなど活用して、あらかじめ不安を払しょくしてもらえれば

普段何気なく歩いている道も、子供の視点で見ると危険な場所が多く見つかる。
入学前にお散歩がてら、子供と一緒に通学路を歩いてみてはいかがだろうか。
(テレビ静岡)