「褒めて伸ばす」という言葉があるが、褒められると誰しもうれしいもの。それは人間だけではない。愛媛県立とべ動物園でも飼育担当の「キーパー」さんたちが、いろいろな場面で動物たちを褒めて、ご褒美をあげている。褒められる動物たちの姿を取材した。

ニンジン大好き!ポニーのチェス

最近注目されている、褒めて育てる教育「ほめ育」。ただ、何でもかんでも褒めればいいわけではない。そこで今回はキーパーさんに動物たちの「褒めポイント」を聞いていく。最初にやってきたのはポニー舎だ。

鈴木瑠梨アナウンサー:
顔を出してくれているのがポニーのチェスですね。チェスをどんな時に褒めてあげているんでしょうか

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とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
「削蹄(さくてい)」をした時に褒めてあげています

削蹄とは伸びすぎたひづめを削ること。放牧している動物は、ひづめが自然と削れるが、動物園などで飼育する場合はケアが必要だ。

まずは、リラックスしてもらうためのブラッシングから。そして…。

とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
チェス、足。よし、お利口さん。よしよし、いい子だね

合図に従って足を出してくれた。しっかり褒めてあげる。その後、ひづめに詰まった汚れを掃除してあげたら、鎌を使って削り、仕上げにやすりをかける。

とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
刃がなかなかうまく通らなかったりとか、思ったように削れなかったりして、難しいです

いい子にしてくれたら、ご褒美も!

とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
チェス、お利口だったね。よしよし

大好物のニンジンをもらって、ご満悦の様子。

とべ動物園では最低でも月に1回は削蹄をしていて、雨の日のあとはひづめがふやけて削りやすいという。

たくさん褒めていた吉武キーパーだが、時には…。

とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
してほしくないことをしたら叱る。ずっと褒めてばっかりだと、下に見られてしまうので、そうすると指示も聞いてくれなくなってしまうので、叱るところは叱るっていうのを大事にしています

爪を切る時は慎重に…

続いては、愛らしいお顔のヨツユビハリネズミ。この子の褒めポイントは?

とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
爪切りをする時に褒めています

なんと、この小さな爪、キーパーさんが切っているという。使っているのは人間用の爪切りだ。

とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
一度警戒されてしまうと、シュッと針の中に足も全部しまって、切れなくなってしまうので、なるべくびっくりさせないように、怖がらせないように、気を付けながらちょっとずつ切っています

そして、ご褒美は…。

とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
頑張ったね、まさ君。お利口さんだったね

とべ動物園・吉武ちとせキーパー:
ミルワームというエサ用の虫があって、それをあげています。

まさむね君、よく頑張りました!

ご褒美にはスイカのプレゼント!

最後に「褒めポイント」を聞くのはアフリカゾウ!

鈴木瑠梨アナウンサー:
大きなアフリカゾウ。どんな時に褒めていますか?

とべ動物園・濱田純基キーパー
毎日の健康管理の時に、こちらの号令に従って、健康管理に協力してくれた時に、たくさん褒めてあげます

毎日のように行っている健康管理も兼ねたトレーニングをのぞいてみた。

とべ動物園・濱田純基キーパー:
うしろ、うしろ、うしろ。足、グッド、偉いね

お母さんのリカさん、号令に従って足を出してくれている。そして、砥愛(とあ)ちゃんも…。

とべ動物園・濱田純基キーパー:
口、口、グッド。まくよ。グッド。口、はい待って。待って待って。えらいえらい、グッド

とべ動物園・濱田純基キーパー:
ご褒美にはゾウが大好きなりんごをあげてます

また、週に1回行う血液検査の時には、いつも以上に褒めちぎるという。

とべ動物園のキーパーたち:
グッド。えらいね。いいね。えらい。えらい

ご褒美もスイカなど、いつも以上に豪華に。「獣医師さん=痛いことばかりする人」と思われないよう、採血をした獣医師さん自身がご褒美をあげているという。

とべ動物園・濱田純基キーパー:
とにかくゾウがしてほしいことをしてあげる。トレーニングの時も大好きなご褒美があるので協力してくれますので、適切なタイミングできちんとした量をあげる。というのを大切にしています

褒められながら、すくすく育つ動物たち。そこには、大好きなキーパーさんの愛情があった。

(テレビ愛媛)

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