空港で購入した免税品の「海外直送制度」が期間限定で実施される。

1月末に全面開業した商業施設「羽田エアポートガーデン」で、買い物をする外国人観光客。 

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カートに大量のお土産を乗せ、向かった先は免税カウンター。

3月13日~19日まで実施される、空港で購入した免税品の「海外直送制度」。

利用者は免税カウンターに設置された専用窓口で、パスポートと領収書を提示。免税の手続き後、購入したお土産などを海外の自宅まで配送することができる。

この制度は、空港施設内の48店舗の商品が対象で、送り先は韓国・台湾・香港のみとなる。

台湾に荷物を配送した人:
何も持つ物がなくて、身軽で帰れるので、すごくうれしいです。

取材記者:
手ぶらだと、また何か買ってしまわないですか?

台湾に荷物を配送した人:
多分ね。

店舗側にも様々なメリット

外国人観光客の“手ぶら観光”を広げることで、消費の拡大を後押しする今回の取り組み。

店舗側にも様々なメリットがあるという。

空港にある店「si gu sa」では、今回の制度を商機と捉え、外国人観光客に人気の商品をセットで販売。

価格を、免税対象額となる5500円(税込み)以上に設定し、外国人観光客が選びやすいようにしたという。

 

si  gu  saクリエイティブディレクター・金田恵利さん:
(免税についての説明で)少しスムーズな対応ができなかったことがありました。一括でカウンターでまとめて全てしてもらえるので、私たちはお客さまをご案内するだけで、スムーズに進むのですごくありがたいです。

今回の取り組みについて、施設を運営する住友不動産はこう話す。

住友不動産 羽田統括部長・村田尚之さん:
やっと日本もコロナが明けて、(インバウンドが)戻ってくるという兆しの中で、お土産を持てる範囲で1~2個のお客さまもいたと思うが、それがどんどん増えていくことに期待している。

「免税メリットの活用」ニーズは根強い 

「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

内田嶺衣奈 キャスター:
今回の取り組み、どうご覧になりますか。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
海外旅行の楽しみといえば、観光とグルメとともにお土産を含めた買い物があげられ、免税というメリットを最大限に活用したいというニーズは根強い。

「最初に出会う日本、最後に楽しめる日本」という羽田エアポートガーデンの取り組みは、
訪日外国人観光客の消費拡大にもつながるため、継続的にサービスが展開されることを期待したい。

内田嶺衣奈 キャスター:
確かに、旅先で見つけた素敵なモノ、美味しいモノを買うのは旅行の楽しみのひとつですよね。  

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
今回は、複合施設に入る48店舗が参加していて、専用カウンターで免税対象金額は各店舗の合算金額で計算される。
そして免税代行事業として発送もしてくれるなど、かゆいところに手の届くサービスになっている。

何より、日本のマスマーケットを対象に展開するローソンが誇る、普段使いの売れ筋商品の中で、日持ちしない輸出規制のある商品などを除き、購買後、まとめて送れるのは素晴らしい。

例えば、日本滞在中にコンビニで見つけたお菓子や文房具などを、旅の途中でたくさん買ってしまうと荷物になってしまう。

そこで、日本を飛び立つ前に羽田エアポートガーデンのローソンで買って、海外の自宅に直送できるのは歓迎されるはず。

「日本製品の愛情を継続させる」最適な施策

内田嶺衣奈 キャスター:
これから、さらに増える日本への訪問客が、羽田でのショッピングを楽しんでくれるといいですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
インバウンド対応のポイントは、日本滞在中のおもてなしに加え、帰国後に日本の商品などを再び手に入れたいと思ってもらうことが大事。

旅の終わりに、様々な商品を購入できてそのまま自宅まで送れるサービスは、日本製品への愛情を継続させるための施策としても最適。

インバウンドが国の経済成長のチカラになる日本で、グルメ・商品・サービス向上のみならず、“ストレスなく旅ができる”新しいサービスの強化が、訪日外国人観光客の支持拡大を後押していきそうだ。

内田嶺衣奈 キャスター:
海外旅行での買い物の楽しさは、買った時はもちろん、自宅に帰ってからも、おみやげの品を使うたびに楽しかった旅を追体験できることだと思います。

この羽田で買ったものが、海を渡り、誰かに大切にされるといいですね。

(「Live News α」3月15日放送分より)