国会への欠席を続け、議場での陳謝にも応じなかったガーシー参院議員。
3月14日の懲罰委員会で、ついに議員の身分を失う「除名」が全会一致で決定した。国会議員の除名は72年ぶりとなる。

弁明書でも「除名」処分を批判

約1時間行われた懲罰委員会には、ガーシー議員の代理として浜田議員が出席。ガーシー議員の弁明文を読み上げた。

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政治家女子48党 浜田聡議員:(ガーシー議員の弁明文)
私も票を入れてくれた有権者に謝罪しますが、あなた方も私に票を入れた有権者に謝罪をしてください。それが筋だと思います。何の決まりも指導もなく、当選してからごちゃごちゃ言うのは後出しじゃんけんですよ…。

弁明文の一部が懲罰とは関係ない内容だったため、注意を受けながら読み上げた弁明文では、除名処分が投票した民意を無視した行為であると批判。

この主張に対し、懲罰委員会終了後に鈴木宗男委員長も反論した。

鈴木宗男委員長:
公約で自分は国会に出ないと言って当選したんだから、(国会に)出なくてもいいんだというのは、個人的な見解であって。独りよがりの身勝手な発言をしても、民主主義は通用いたしません

15日に除名へ…決定すると何が変わる?

ガーシー議員は海外に滞在していて、2022年7月の初当選以降は国会の欠席を続けている。

2023年2月に議場での陳謝の懲罰が決定すると、国会に出席するという話もあったが、結局は帰国しなかった。

懲罰委員会が「除名」を決めたことで、ガーシー議員は15日に行われる参議院の本会議で、出席議員の3分の2以上の賛成で可決されれば、除名が決定。その瞬間に国会議員でなくなる。
ガーシー議員が国会議員の身分を失った場合に、何が変わるのか。

まずは給料。国会議員の給料に当たる歳費は毎月支払われるが、除名されると支払いは停止される。ガーシー議員には、1カ月分の歳費・旧文通費で約230万円が月々支給される予定だが、16日以降は日割りで返却しなければならなくなり、約70万円を返却することになりそうだ。

その一方、2022年7月から除名処分まで、国会には一度も出席していないが、期末手当などと合わせて約1900万円以上を受け取る形となる。

「不逮捕特権」失って逮捕の可能性も?

続いては、不逮捕特権について。
ガーシー議員は、YouTubeの動画などで著名人を脅すなどした脅迫と名誉毀損の疑いがあるとして、警視庁は任意の事情聴取を要請している状況だ。

国会議員は国会会期中は原則逮捕されない「不逮捕特権」が認められているが、議員の身分を失えば、この特権はなくなる。今後はどうなるのか。

平松秀敏解説委員によると、ガーシー議員は警察当局にとって刑事告訴された一般人になる。国会を気にせずに捜査できるため、捜査が加速する可能性があるという。

日本での事情聴取に応じず、仮に逮捕するとした場合には、逮捕状を取るとともに、外務省にガーシー議員の旅券(パスポート)の返納命令を出してもらう。
返納されなかった場合には取り上げて、不法滞在者の扱いにし、滞在先の国に身柄の引き渡しを要求する可能性があるという。

後任は誰?比例名簿から繰り上げ当選か

最後に、除名になった場合の後任はどうなるのか。
後任は、ガーシー議員が所属する「NHK党」から最近名前を変更した「政治家女子48党」の前回の参院選の比例名簿に沿って、繰り上げ当選となる。

後任人事について、党首を辞任した立花氏は以前、NHK党の比例で4位の得票だった斉藤健一郎副党首を繰り上げ当選させると話していた。

榎並大二郎キャスター:
宮家さん。初めて国会欠席で除名になる見通しなんですけれども?

宮家邦彦氏:
とんでもない話だと思いますけどね。それで、懲罰委員会の人たちにも謝れって言うんでしょ。何を言ってるんですか。まず、あなたが謝らなきゃ。党首もやめたわけでしょ。誰も責任をとってないんだから、あなたが今回はやめなさい、謝りなさい

榎並大二郎キャスター:
明日、正式に除名ということになるんでしょうか。注目です

(「イット!」3月14日放送より)