子育てしていると、なにかと気になるのがお金のこと。食費、光熱費、固定費、教育費…、「節約しなきゃ」と思ってはいても、実行に移すのは至難の業だ。

漫画家のマルサイさんは、小学生~中学生の男子3人を育てる母親。雑誌『ESSE』で、節約の実体験を描いたコミックエッセイ連載が、『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)として書籍化した。

「お金の計算が苦手」というマルサイさんに、やってよかった節約術や、最近の値上げ対策でしていることなどを聞いた。

4年かけてお金の流れをつかんだ

数字が苦手で家事はなんとなくのどんぶり勘定だったというマルサイさん。40代を前に家計管理に挑戦し、食費、光熱費、レジャー費などできるところから少しずつ改善して、お金を貯めることを始めた。

食べざかりの3人の男の子がいるため、食費は月7万もかかっていた。そこでマルサイさんはネックだった食費から節約をスタート。

『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
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『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より

最初の1カ月目は「マイナス1万円」と目標金額を設定し、「買い物は週2回、1万円以内」「生協で注文するのは牛乳・卵・米・調味料のみ」「買った食材で1週間の献立をざっくり決める」などのルールも決めた。

すると始めて1カ月で食費が月5万3000円で収まり、1万7000円の差額が出たという。

『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より

意を決して節約前のレシートを見返すと、コンビニや外食、テイクアウトといった無計画な買い物が元凶だったことを知ったマルサイさん。こうした気付きが節約を始める上で大切だったと話す。

――『ESSE』での連載は4年以上続きました。節約に挑戦した感想を教えてください。

最初は右も左もわからなかったのですが、4年かけて、わが家のお金の流れのパターンがつかめるようになり、自分の性格に合った節約法を知ることができました。

また、とにかく家計に対する意識が高まり、将来を見越しての節約や、先取り貯蓄など、長期的な目で家計を考えられるようになったのがよかったと思います。

マルサイさんは「普段の生活の中でついでにできる節約」が合っていたという。

・あえて小銭入れが小さい財布を使う→財布に入りきらない小銭(主に100円玉)は貯金箱に入れる
・ひと駅、ふた駅の移動は徒歩か自転車を使う
・雑誌やウェブサイトの節約の特集などに目を通して節約モチベーションを上げる

などの方法で、地道かつストレスフリーに節約ができるようになったそうだ。

現金主義のマルサイさんは、キャッシュレス決済に抵抗があった。さらに「ポイ活」もよく理解していなかったことから、ポイントを貯めて使うなどもあまりしてこなかったという。

それでも4年の節約を通して「ポイ活」は特にやってよかった節約術だとした。

『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より

――とくに「やってよかった」と感じた節約術はなんですか。

ポイントを貯める『ポイ活』です!!親が現金主義だったので、私自身もキャッシュレスで買い物をすることに抵抗感があったのですが、思いきってポイ活を始めたら、思った以上に貯まるので驚きました。

日用品からふるさと納税まで、今はさまざまなものをネットで購入しています。貯まったポイントを使って割引価格で買い物するたびに「ポイ活を始めてよかった…!」と感じます。

また一見、節約には関係ないように見えますが、定期的に自分の持っている服を全部出すのも効果的でした。持っている服を一覧で見ることで、服の無計画買いがなくなりました。

――向いていなかった節約術はありますか。

家計簿は、手書きでもアプリでも続きませんでした。書籍の描きおろし漫画でファイナンシャルプランナーの先生に家計相談したのですが、「苦手なら家計簿はつけなくて大丈夫!」と言ってもらえて安心しました。

――ふるさと納税で頼んでよかったものがあれば教えてください。

毎年ばっちりふるさと納税を頼んでいます!去年はナチュラルチーズセット(鹿児島県鹿屋市)と本格ウインナー・ハムのつめ合わせ(福岡県糸島市)を頼みました。年末年始の朝ごはんがオシャレになり、食卓が潤いました。どちらもおすすめです。

“ズボラ母さん”が値上げを感じる瞬間

昨今、さまざまな食料品の値上げが止まらない。家計へ響かないようにあれこれ考えたとしても、食費を節約することが難しい状況になっている。

『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)より

――最近、値上げを感じる瞬間はどんなときですか。

卵、食パン、即席麺、ソーセージ、ケチャップなど、定番で買っている食品の値段が高くなっていたときです。質がよくてお手頃価格のプライベートブランドも選ぶようにしています。

トップバリュグリーンアイの『冷凍スチームむきえび』は、手軽に使えて美味しいので冷凍庫に常備。トップバリュの一口サイズの半生和菓子のつめ合わせ『半生ミックス』も、子どもたちと私のお気に入りです。

――漫画に描いた以外に最近やっている節約術があれば教えてください。

スーパーのイオンの「レジゴー」というシステムを活用しています。商品をスマホでスキャンするたび合計金額が表示されるので、予算オーバーや買いすぎを抑制できています。

――日々、節約に勤しむ中だと思いますが、今パーッとお金を使えるなら何に使いたいですか。

家のリフォームがしたい、家具を買い替えたい、旅行に行きたい、高性能家電がほしい、仕事用のイスが欲しい、新しいランニングウォッチとランニングシューズが欲しい…などなど、たくさんあります。

右も左もわからない中から、試行錯誤を繰り返したマルサイさん。回数を重ねるにつれて、家計に対する意識が変わっていったという。それでも「まだゴールではなく、ここからが本番」だと気を引き締めつつ、「ゆる〜くゆる〜く節約に励みたい」と語ってくれた。

毎日のことだからこそ、気をはらずに“ゆるく”節約に取り組むことが大切なのかもしれない。

『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)著・マルサイ
『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)著・マルサイ
マルサイ
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