自民党の世耕弘成幹事長は、3日の会見で、林芳正外相がインドで行われたG20(主要20カ国・地域)外相会合を欠席したことについて、「残念ながら外務省から、どうしても出たい、出なければいけないという説明や要望は一切なかった」と説明した。

林外相は、岸田首相と全閣僚が出席する参院予算委員会への出席を優先して、G20外相会合を欠席した。

これに対し、インドの主要紙は「日印関係に影を落とすかもしれない」などと批判的に報じ、国会でも野党から「国益を損なうような判断」との批判が出た。

世耕氏は会見で、G20に関する外務省の対応について、「通常の海外出張のルーチンと同じように紙が回ってきた」と説明した。

世耕氏は、昨年10月、米国で開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議に鈴木俊一財務相が出席するため、衆院予算委員会の日程を1週間遅らせた例をあげて、「これまでも本当に必要だと判断すれば、躊躇なく国会日程を変更して出ていただいた」と述べた。

そして、「今後は、外務省が説明・要請をしていただければ、野党にお願いをしてでも、必要な海外出張は実現できるようにしていきたい」と述べた。

世耕氏は、28日の会見で「基本的質疑は、参院の質疑の中でも非常に重要度が高い」と述べ、林外相出席の必要性を強調していた。

今回、事前に外務省から説明や要請があれば、委員会日程を調整する余地があったとして、外務省に苦言を呈した形だ。