春になり雪解けが進むと利用する機会が増えるのが自転車だ。2023年4月からは、ヘルメット着用が年齢を問わず「努力義務」となるが、2019年、国に先駆けて条例でヘルメット着用を「努力義務」とした山形県。
県内での普及は進んでいるのか取材した。

死者の6割以上が「頭部に負傷」

自転車のヘルメット着用は、道路交通法でこれまで「13歳未満」が努力義務の対象となっていた。しかし、国は2022年12月に法改正し、2023年4月1日から自転車に乗る全ての人に努力義務を課すことにした。

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県警本部交通企画課・木村弘紀課長補佐:
自転車事故で亡くなるのは頭部にけがをした人が多い。これを踏まえ、自転車乗車時のヘルメット着用が重要ということで今回の法改正につながった

県警本部交通企画課・木村弘紀課長補佐
県警本部交通企画課・木村弘紀課長補佐

県警のまとめによると、過去5年間、県内の自転車事故で亡くなった人の6割以上が「頭部のけが」が原因だった。

ヘルメット無しでは脳への衝撃が17倍に(提供:JAF)
ヘルメット無しでは脳への衝撃が17倍に(提供:JAF)

親子3人が乗った自転車が時速20kmで衝突し、地面に頭を打ち付けた場合を想定したJAFの実験では、後ろに乗った子どもの脳が受ける衝撃はヘルメットを着用しているかどうかで約17倍の開きが出た。

条例で「努力義務」とするも…

命に関わる重大事故につながる自転車の事故。県は2019年、国に先駆けて条例で全ての年齢のヘルメット着用を「努力義務」とした。しかし、特に高校生以上の年代で着用率が思うように上がっていない。

県警本部交通企画課・木村弘紀課長補佐:
自転車事故の当事者の着用率を見ると、中学生までは50%を超えているが、高校生は1.2%、高齢者は3%と低くなっている。自分の命を守るためなので、自転車に乗る時はヘルメットの着用をお願いしたい

2023年に入り問い合わせ増加

今回の法改正を機に、県内でもヘルメット着用への関心が高まっているようで、山形市にある自転車専門店「サイクルベースあさひ山形南店」では、2023年に入りヘルメットの問い合わせが増えているという。

サイクルベースあさひ山形南店(山形市)
サイクルベースあさひ山形南店(山形市)

サイクルベースあさひ山形南店・高橋一壽店長(※高橋店長の「高」ははしご高):
(自転車で)通学する学生から社会人の40~50代まで多くの問い合わせがあり、来店している

そして品ぞろえも定番のスポーツタイプの他、カジュアルなタイプや帽子タイプなど、服装や好みに合わせて選べるようになっている。

帽子タイプヘルメット
帽子タイプヘルメット

サイクルベースあさひ山形南店・高橋一壽店長:
ヘルメットを着用する際は、眉毛のラインと水平になるようにかぶってほしい。うまくかぶれていないと転倒時、衝撃が吸収しきれず、大けがにつながる可能性もある。しっかりかぶってほしい

「努力義務」に罰則はないが、事故が起きた際の保険金の算出に影響する可能性もあるという。自転車事故から命を守るため、自分に合ったヘルメットを見つけ、着用を習慣化することが重要だ。

(さくらんぼテレビ)

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さくらんぼテレビ
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