日中は雪解けが進む山形県内だが、朝晩の冷え込みは強く、見えない路面の凍結、いわゆる「ブラックアイスバーン」は思わぬところに潜んでいるため、スリップ事故に注意が必要となる。

“見えない”ブラックアイスバーン

2022年12月、山形市下反田で起きたスリップ事故。
軽ワゴン車が凍結した橋の上で対向車と衝突し、軽ワゴン車を運転していた50代の男性が死亡した。

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事故当時、現場の路面は凍結しているが、ぬれたようにも見える「ブラックアイスバーン」の状態だった。

JAF山形支部・柏倉保さん:
薄い水の膜が気温が冷えることによって凍結して、黒い道路の色が見える凍結になる。それがブラックアイスバーン

制動距離は6倍以上に…

JAFが行った実験映像。上がブラックアイスバーン、下はぬれただけの路面だが、どちらも同じような路面に見える。

提供:JAF
提供:JAF

実験ではそれぞれの車がブレーキをかけてから停止するまでの距離を測った。ブラックアイスバーンの場合は、停止するまで約70メートルと、ぬれただけの路面と比べるとその距離は6倍以上だ。

1月に入り、県内はまとまった降雪もなく雪解けが進んでいるが、日の当たりにくい場所や橋の上、トンネルの中などブラックアイスバーンの危険は思わぬところに潜んでいる。

JAF山形支部・柏倉保さん:
ブラックアイスバーンで一番危ないのは、「凍っている」と思わずに走っていること。路肩の雪が溶けて、それが冷えることもある。油断をせずに、「どのような変化が起きているかわからない」ということで運転してほしい

ブラックアイスバーンの発生多数

県警のまとめによると、冬にスリップ事故を起こした当事者が重傷以上となった事故の数は、過去5年間で97件。そのうちの2割にあたる19件が「ブラックアイスバーン」の状態だった。

まだまだ冬本番が続く県内、路面状況を常に注意した慎重な運転が求められている。

JAF山形支部・柏倉保さん
これからもまだまだブラックアイスバーンの発生はある。滑ってしまった場合の対応は、ない。滑らないような運転、滑っても大丈夫な速度が大事

今後も気温が低下する日もあると予想される。路面状況に十分注意して運転したい。

(さくらんぼテレビ)

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さくらんぼテレビ
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