東京商工リサーチの調査(2023年2月1日~8日にインターネットによるアンケート調査を実施。有効回答4465社を集計、分析)によると、2023年度の春闘で賃上げを行うと答えた企業は80.6%だった。
2022年度に賃上げを実施した企業は82.5%で、8割を超えるのは2年連続になる見通し。コロナ禍の2020年度には57.5%まで落ち込んだ賃上げを実施する企業の割合は、コロナ前の水準に戻った。
また、2023年の春闘で連合が掲げている「5%」以上の賃上げを行うと答えた企業は、29.2%(2022年10月の調査は4.2%)と大幅に増加したが、3割を下回っている。
資本金1億円未満の中小企業では、賃上げを実施すると回答した企業は80.0%だった。ただ基本給を引き上げる「ベースアップ」を行うと答えたのは49.2%で、大企業の55.9%を6.7ポイント下回った。
東京商工リサーチは中小企業にとって賃金体系の底上げになるベースアップは負担が大きく、一時金やインフレ手当などで賃上げに対応している、と指摘している。
一方、賃上げを実施しないと回答した中小企業に理由を聞いたところ「価格転嫁できていない」との回答が58.6%で最も多かった。