島根・出雲市と岡山を結ぶJRの特急「やくも」。運転開始から50年を記念して、2022年春から、かつてのデザインを復刻した車両の特別運行「リバイバル運転」が始まり、鉄道ファンだけでなく沿線地域も盛り上がっている。

薄紫のデザイン 特急「スーパーやくも」が復活

嶋村采音アナウンサー:
2006年まで運行していた特急「スーパーやくも」のデザインが復活して、17日から「リバイバル運転」を行います

17日から特別運行「リバイバル運転」が開始
17日から特別運行「リバイバル運転」が開始
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公開されたのは、1994年に登場し、11年余り運行された特急「スーパーやくも」。薄紫を基調にした車体に、濃い紫と白のラインが引かれている。

国鉄時代のカラーリングを復刻した2022年3月の「国鉄色やくも」に続いて、リバイバル運転が行われる。

JR西日本山陰営業部・足立智さん:
山陰の外からも多くの方に観光やビジネスなどで来ていただいて、「交流人口」の拡大につながるよう努めていきたい

そして、リバイバル運転が始まった2月17日、岡山からの第1便を迎えた米子駅で歓迎セレモニーが行われた。午前11時過ぎ、米子駅の2番ホームに4両編成で到着した特急「やくも」5号。

鳥取県の平井知事や米子市の伊木市長などが列車を出迎え、降り立った乗客には記念乗車証などがプレゼントされた。

乗客には“記念乗車証”が贈られた
乗客には“記念乗車証”が贈られた

第1便の乗客:
初便だったので、子どもを乗せてあげたいと、わざわざ生山(駅)まで行って、戻ってきた

第1便の乗客:
盛り上がりますね。帰りは「国鉄色」に乗る。それも楽しみにしている

鉄道ファンだけでなく、一般の乗客も「懐かしのやくも」復活を喜んだ。

山陰と山陽を結ぶ特急「やくも」は、2024年春に新型車両が導入され、国鉄時代から今も現役で走っている381系車両は順次引退する予定だ。

ファン必見のユニークなイベント

鉄道ファンを中心に別れを惜しむ声が多く、JRはユニークな企画でその声に応えている。それが、車両所の見学ツアーだ。

中でも人気なのが、リバイバル運転第1弾の「国鉄色やくも」の珍しい姿。先頭車両に表示された列車名などをあしらった「ヘッドマーク」をクルクル回し、表示を切り替える「幕回し」と呼ばれる作業。

かつては駅のホームで見かけられたが、表示装置を備えた車両も次々と姿を消し、今ではあまり見かけることがなくなった。「国鉄色やくも」には、西日本各地を走っていた列車の「懐かしのヘッドマーク」15種類が再現されている。

嶋村采音アナウンサー:
思い思いのヘッドマークと写真が撮れるイベントが人気だということです

「やくも」の臨時列車のほか、関西ではおなじみの「くろしお」や「はんわランナー」「シュプール」といった表示も。

現在は、旅行会社が企画した車両所の見学ツアーだけで公開されていて、これを目当てに、遠く関東から参加する鉄道ファンもいるそうだ。

古き良き日本の原風景が残る、伯備線、山陰本線の沿線。懐かしいカラーの「やくも」がその風景にアクセントを添える。

「リバイバル運転」第2弾の「スーパーやくも」車両は、1日2往復運行される。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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