三井不動産が東京・日本橋を“宇宙の街”にしたいと、“産・官・学”連携の拠点が設立された。
宇宙分野に企業などの参入を促し“宇宙ビジネス”の領域を拡大
三井不動産の取締役専務執行役員・植田俊さんは、その目的を次のように語った。


三井不動産 取締役専務執行役員・植田俊さん:
無限の可能性がある、宇宙産業の発展を当社として全力で支援することで、日本橋を世界に誇る宇宙ビジネスの中心地にしていきたい。

三井不動産が中心となり、設立した一般社団法人「クロスユー」

2月13日、2023年4月から本格的に活動を開始し、宇宙関連産業の活性化に取り組む事を発表した。

新たな拠点として東京・日本橋に開設するのは、「クロス・ニホンバシ・ベース」

日本橋でのワーキングスペースの提供や企業交流イベントの開催を担う。


“場”と“機会”を提供することで、宇宙分野に関係のある企業や、この分野との関わりが薄かった企業などの参入を促し、新たなイノベーションの創出や宇宙ビジネスの領域を拡大していきたい狙いだ。


三井不動産 日本橋街づくり推進部長・七尾克久さん:
宇宙関係者が日本橋に30以上集まっていて、いま研究している内容、衛星、食、エンターテインメント、教育をやっている方もいる。


三井不動産 日本橋街づくり推進部長・七尾克久さん:
新しいビジネスを飛躍的に成長させる場所は、相当な器がないと国内外から企業や人を呼び込めない。日本橋であればそれができるだろうと。

「クロスユー」はJAXAとも連携協定を結んでおり、産・官・学・地域と一体となりながら、宇宙ビジネスの発展を後押ししていく。
“宇宙産業企業”だけでなく周辺に移転する会社も増える
「Live News α」では、キャスター取締役CROの石倉秀明さんに話を聞いた。
内田嶺衣奈 キャスター:
東京・日本橋を“宇宙の街”に、しようということですが、どうご覧になりますか?

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
特定の街やエリアに、同業の人たちが集結することでその産業が活性化するというのはよくあった。
例えば秋葉原は「電気街」と呼ばれて、秋葉原にしかないようなPCのパーツ屋さんなどがたくさんあり、電子類やPCなどが好きな人や、こだわりを持つお客さんが集まってきた。
結果として、その街のお店は儲かりやすいので、ますます同業者が集まったり、周辺に卸などの関連業者が集まったり、という循環が生まれてきた。
今回の取り組みはそれの現代版というか宇宙産業のスタートアップ版のようなものだと。
内田嶺衣奈 キャスター:
宇宙に夢を託す企業や人が集まるように取り組んでいる三井不動産の狙いについては、いかがですか?
キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
宇宙産業に関係するスタートアップが集まることで、そこと取引する会社やこれから起業する人もせっかくなら、と日本橋近辺に集まることになるし、宇宙産業で働くことに関心ある人も集まってきやすい。
そうなると宇宙産業が盛り上がりに繋がるだけではなく、周辺に移転する会社が増える。
結果的に、このエリアに力を入れている三井不動産としても所有物件が埋まりやすかったり、土地の価値が上がったりなど本業にもメリットがあるということなのだと思う。
組織を分散させるか、1箇所に集中させるかは大事な戦略
内田嶺衣奈 キャスター:
ただ、リモートワークが広がっている中でリアルに企業や人が集まることに、どのくらいの意味やメリットを見いだせるのか?これが問われそうですね。

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
うちの会社もそうだが、いま起業しようとするとリモートワークからスタートする会社も増えている。
もちろん、それはそれでメリットがあるが、1箇所に同業界を集めることで街の文化を作るようなことをやるには、場所が必要。
いま会社をやる上で、組織を分散させるか、1箇所に集中させるか、どちらを選ぶかが大事な戦略になってきている。
その中で、今回の取り組みは新たな宇宙の街を作るという、“集中する”ということに振り切ったからこそできることをやろうとしているのでは?と思う。
内田嶺衣奈 キャスター:
JAXAとの連携は産業としての成長を後押ししてくれるはずです。リアルの場で集まるからこそ生まれるイノベーションを楽しみにしたいです。
(「Live News α」2月13日放送分より)