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馬毛島での自衛隊施設工事から約1カ月 運搬で日当9万円…でも5年後は?変化に戸惑い危機感を持つ市民も【鹿児島発】|FNNプライムオンライン

馬毛島での自衛隊施設工事から約1カ月 運搬で日当9万円…でも5年後は?変化に戸惑い危機感を持つ市民も【鹿児島発】

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馬毛島での自衛隊施設整備工事 恩恵と危うさの狭間で

アメリカ軍の訓練移転や自衛隊施設の整備に向け、鹿児島・西之表市の馬毛島で2023年1月から基地工事が始まった。着工から約1カ月、街に広がる影響を取材した。

工事で変わる西之表市の町並み

2023年2月8日午前。西之表市・馬毛島上空からヘリコプターで島の様子を撮影した。

この記事の画像(16枚)

安楽遥記者:
馬毛島の中央部には資材や重機が置かれていて、重機で土を掘っているのが確認できます

島内の複数の場所で木の伐採作業も行われていて、土がむき出しになり、切られた木が山積みになっていた。港には大きなクレーンも確認でき、防衛省による工事が着々と進んでいることが伺える。

2023年1月12日、馬毛島で基地工事が始まり約1カ月。漁業、宿泊業、そして観光業に携わる西之表市の関係者は、それぞれの立場で街の変化を感じている。

2月2日の西之表港。まだ薄暗い午前6時半ごろ、次々と漁船が出港した。工事関係者を馬毛島へ運ぶ交通船だ。
主に漁業者が担うこの業務の日当は9万円。この時期しけでなかなか漁に出られない漁業者にとって、日当9万円は安定した収入となるため、計画に反対する漁業者さえ、携わることがあるという。

馬毛島周辺で30年以上漁業を営んできた濱上三郎さんはこう語る。

漁業者・濱上三郎さん:
種子島と馬毛島の間にちょうど漁場があってそこでよく漁をしていた

船のエンジンが故障しているため交通船の業務は担っていない濱上さんだが、工事で漁が制限されることで支払われる漁業補償を理由に計画に賛成している。

漁業者・濱上三郎さん:
船が乗れないから陸に上がってアルバイトしているけど、それで生計を立てているから、馬毛島の漁業補償金が入ってくれば万歳

工事の影響は街並みにも現れている。西之表市に建設中の4棟の大きなプレハブ。工事関係者の住居や事務所として最大200人程度が滞在予定で、工事の規模の大きさを物語っている。

工事関係者の姿は宿泊施設にも。市内のカプセルホテル、これまで2割だった稼働率が、工事が始まった1月には8割まで上がった。

種子島あらきホテル・荒木政臣専務取締役:
主な客としては工事関係者が多い。客層が変わってきている

経営者の荒木さんが案内してくれたのは新しく整備した、ホテルの別館。

奥には、全自動洗濯機も
奥には、全自動洗濯機も

種子島あらきホテル・荒木政臣専務取締役:
普通のホテルとは違い、見てもらえればわかるが冷蔵庫も大型化し、電子レンジもつけた。奥には全自動の洗濯機。乾燥機もある。長期滞在を主として利用してもらいたい。(工事関係者から)2月上旬から半年ほどの予約をいただいている

工事の関係で観光客が泊まれない

工事によって宿泊施設が活況にわく一方、マイナスの影響も出始めている。

種子島 Sea-Mail・林哲郎さん:
店をオープンして24年目だが、今までこういうことはなかった

こう話すのは、西之表市でダイビングショップを営む林哲郎さん。既に5月の大型連休や夏休みの予約が20件ほど入っているが…。

種子島 Sea-Mail・林哲郎さん:
「泊まるところがない」「手配してもらえませんか」という問い合わせがほとんど。宿泊先が決まらないと私たちも受け入れることができない

宿泊施設が空かず観光客が来られなくなれば、店にとっては死活問題だ。林さんはこの状況を乗り切るため、ダイビング客専用の簡易な宿泊施設を建てることを決めた。

種子島 Sea-Mail・林哲郎さん:
ダイバーの宿泊所を、プレハブを建てて対応しようかなと

変化に戸惑い将来に危機感

馬毛島で工事が始まって約1カ月。今回取材に応じた3人はいずれも計画に賛成の立場だ。しかし、それぞれが関わる業界の将来に、影も見いだしている。

漁業者の濱上さん。交通船の業務で漁に出なくなる仲間が増える中、こんな言葉を口にした。

漁業者・濱上三郎さん:
寂しい。30年くらい漁をしてきた、みんなと一緒に。(防衛省は)5年間は補償するというが、6年目になったらどうなるのか

ホテル経営者の荒木さんが抱くのは、危機感だ。

種子島あらきホテル・荒木政臣専務取締役:
工事関係者は、ご飯は食べに行くかもしれないが、お土産やアクティビティーをするかというと、観光客とは違う。これから3年、4年、5年と続くといわれる工事。われわれはそれで終わりではないので、この種子島をどうやって発展させていくか。観光業者としては、種子島が忘れられてはならない

既にマイナスの影響を受けている観光業の林さんは。

種子島 Sea-Mail・林哲郎さん:
われわれ観光関係の人間は(工事に伴う)補助金がない。自己防衛しかない。交付金をもらって市民生活の底上げをしていくべきだと考えているから(計画に)反対ではない

取材で見えてきた光と影。約4年とされる工事が終わった後、街には何がもたらされるのか。それぞれの立場で考える日々が、続いていく。

(次の記事を読む:馬毛島の自衛隊基地着工から3カ月「米軍再編交付金の活用事業」始まる “恩恵と危うさ”のはざまで…【鹿児島発】)

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