アメリカ軍の訓練移転に向けた工事が進む鹿児島県西之表市の馬毛島で、作業中の62歳の男性が機械と壁の間に挟まれ死亡した。九州防衛局は10月7日、作業中の立ち入り禁止ルールが徹底されなかったことが原因だったと発表した。島内では工事中の死亡事故が相次いでおり、安全管理のあり方が改めて問われている。
機械が作動中に立ち入り、内臓損傷で死亡
事故が起きたのは9月30日。馬毛島内の生コンクリートプラントで清掃作業をしていた大阪市の会社員・62歳の男性が、コンクリートの材料を振り分けるための機械と壁の間に挟まれた。男性は内臓の損傷による失血で死亡した。

本来、プラントの運転中はこの機械の周辺に立ち入らないとするルールが定められていた。しかし九州防衛局の調査によれば、そのルールが現場で徹底されておらず、男性が機械の作動中に現場へ立ち入ったことが直接の原因だったとされる。

再発防止策として扉の施錠と教育の徹底を打ち出す
九州防衛局は再発防止策として、生コンクリートの製造中はプラントの扉を施錠して立ち入りを禁止する措置を講じるとした。また、関係職員に対する教育や作業前のミーティングを徹底することも明らかにした。

事故発生を受けて停止していた工事については、準備が整い次第、再開する予定だという。
相次ぐ死亡事故、県も国に安全確保を申し入れ
馬毛島の工事をめぐっては、今回が初めての死亡事故ではない。2024年10月にも、油圧ショベル機を運転していた男性が排水用の穴に転落して死亡するという事故が起きていた。工事中の死亡事故が相次いでいる状況を受け、鹿児島県は国に対し、安全確保に万全を期すよう申し入れを行っている。

アメリカ軍の訓練移転という国家的な事業が進む一方で、現場では作業員の命が失われ続けている。ルールの形骸化を防ぎ、現場の安全対策をどう根付かせるかが、今後の工事再開に向けた最大の課題といえる。

