岸田首相は2月8日、更迭した秘書官の性的マイノリティーに対する差別発言を、改めて陳謝。マイノリティーに関する海外での経験を語った。

更迭した秘書官の性的マイノリティーに対する差別発言を改めて陳謝(2月8日)
更迭した秘書官の性的マイノリティーに対する差別発言を改めて陳謝(2月8日)
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岸田文雄首相:
私自身もニューヨークにおいて、小学校時代にマイノリティーとして過ごした経験や、LGBTだからという理由で、役割や能力を十分に発揮できなかった、そうした残念な思いをしてきた方々の思い、こうしたものが土台になっていると考えています。

「そうした残念な思いをしてきた方々の思い、こうしたものが土台になっていると考えています」
「そうした残念な思いをしてきた方々の思い、こうしたものが土台になっていると考えています」

岸田首相の発言を聞いた性的マイノリティーの当事者は、差別をなくすための法整備を求めた。

「それをそのまま法律に生かしてほしい」 性的マイノリティーの当事者・松中さん
「それをそのまま法律に生かしてほしい」 性的マイノリティーの当事者・松中さん

プライドハウス東京 松中権代表:
(岸田首相は)差別を受けてしまうことに対する、悲しさ・苦しさ・憤りだとかをすごくわかってらっしゃると思うし、それをそのまま法律に生かしてほしい。

野党が国会で追及したのは、2月1日、同性婚をなぜ認めないのかと聞かれた際の岸田首相の発言だ。

「社会が変わってしまう」という表現を野党が批判
「社会が変わってしまう」という表現を野党が批判

岸田文雄首相:
全ての国民にとっても、家族観や価値観や、そして社会が変わってしまう、こうした課題です。

この「社会が変わってしまう」という表現を野党が批判している。

「この点も謝罪と撤回を求めたい」
「この点も謝罪と撤回を求めたい」

立憲民主党 岡本あき子議員:
当事者からは、非常にネガティブな表現として受け止められています。この点も謝罪と撤回を求めたい。

「これは決してネガティブなことを言っているのではない」
「これは決してネガティブなことを言っているのではない」

岸田文雄首相:
これは決してネガティブなことを言っているのではなくして、もとより議論を否定しているものではありません。

「そこの真意を伺っております」
「そこの真意を伺っております」

立憲民主党 岡本あき子議員:
「変わってしまう」と、あえて重ねておっしゃった。そこの真意を伺っております。

岸田文雄首相:
全ての国民に幅広く関わる問題であるということで、社会が変わると申し上げた。変わってしまう、変わることになる、だから議論が必要であるということを申し上げているのでありまして、これは私自身がこうした議論を否定しているとか、そういった意味ではないということは、ぜひご理解いただきたいと思います。

「私自身がこうした議論を否定しているとか、そういった意味ではないということは、ぜひご理解いただきたい」
「私自身がこうした議論を否定しているとか、そういった意味ではないということは、ぜひご理解いただきたい」

岸田首相は、自身の発言は「ネガティブな意味ではない」として、撤回しなかった。

一方、東京都新宿区で性的マイノリティーの人たちを支援している松中さんは、岸田首相の発言を疑問視している。

プライドハウス東京 松中権代表:
ポジティブな意味だとしたら、どんどん法案を作って通していけばいい。あくまでも詭弁にしか聞こえません。多様性を受け止める国にしたいと政府が思うのであれば、いち早く法制度を整えてほしいと思います。

「多様性を受け止める国にしたいと政府が思うのであれば、いち早く法制度を整えてほしい」
「多様性を受け止める国にしたいと政府が思うのであれば、いち早く法制度を整えてほしい」

国会では、立憲民主党と日本維新の会が、LGBTなど性的マイノリティーへの理解を増進するための法案を速やかに成立させることで一致。

自民党内の議論が加速するかが大きな焦点に
自民党内の議論が加速するかが大きな焦点に

今後、自民党内の議論が加速するかが大きな焦点になる。

(「イット!」2月8日放送)