秋田・湯沢市の秋の宮温泉郷にある、創業138年の老舗温泉旅館「鷹の湯温泉」。四季折々の美しい景色とともに、川に面した露天風呂などが楽しめるが、今休業を余儀なくされている。サービスの根幹を揺るがす事態に、関係者は困惑を隠せない。

原因不明のまま休業余儀なく

湯沢市の秋の宮温泉郷。

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創業は明治18(1885)年。温泉郷で最も長い歴史を持つ「鷹の湯温泉」は、創業以来最大のピンチに直面している。

田口慧一記者:
大浴場にやってきました。白い湯気が立っていて、温泉は一見熱そうに見えますが、水温計で測ると湯の温度は30度。本来の40度近い熱いお風呂からは10度も低い温度となっています

大浴場の湯が体温より低い30度。源泉温度が低下しているのだ。原因は分かっていない。

鷹の湯温泉・小山田光博社長:
体温より低いので、お客さんに入ってもらうの厳しいかな。長年来てもらっている方も入れない状態。今までのサービスができないのは本当に心苦しい

川水対策も効果がなかった

「鷹の湯温泉」の源泉に異変が起きたのは、2020年11月。

それまで83度だった源泉をためるプールの温度が70度に低下した。

源泉は旅館の前を流れる「役内川(やくないがわ)」との間にあるため、川の水が混ざった可能性を考え、源泉をためるプールの内側にコンクリートを打ちつけたものの効果はなく、2021年には源泉が37度になった。

その後、新たな源泉を見つけたが、客に提供する温度と湯量には程遠い状況だ。

鷹の湯温泉・小山田光博社長:
湯量は平常時と比べて半分以下ですね。源泉の温度は今、42.8度。一番温かかった時が80度ぐらいなので、半分ぐらいですよね

「知恵を借りることができれば」

休業しているため旅館には収入がないが、施設を維持・管理するには費用がかかる。

露天風呂の木の浴槽は凍結や変形を防ぐため、本来は湯を張っておくが、空の状態だ。

鷹の湯温泉・小山田光博社長:
ポンプで上げると電気代がかかってしまい、なるべくであれば電気代の節約もしないと。旅館、会社の維持ができなくなるので、いろいろなところで節約して

「鷹の湯温泉」は、源泉の湯を適切な温度に温める「加温装置」を取り付けるため、インターネット上で支援を募る「クラウドファンディング」を検討しているという。

鷹の湯温泉・小山田光博社長:
原因が一番知りたい。自分の代でこの温泉をなくすわけにはいかない思い。温泉を温める装置、加温装置をつけるか。新しくボーリングをし直して安定したお湯を確保できるのが一番良いのか。知恵を借りることができれば

(秋田テレビ)

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