いま問題になっている“闇サイト”に絡んだ事件。
16年前、一人の女性が見ず知らずの男3人に拉致され命を奪われた事件で、男たちを結びつけたのは“闇サイト”だった。

「娘の死って何だったのだろうって思う」
「本当に”無駄死にした”ような気持ちになります…」
闇の求人が新たな事件を引き起こしている現実に、被害者の母親が無念の思いを語った――。
「殺さないでください」と何度も命乞いを…
全国で相次ぐ強盗や特殊詐欺事件。
“人集め”に使われているのがSNS上の“闇バイト”だ。

2007年、愛知県名古屋市で起きた“闇サイト殺人事件”。
当時31歳の女性が帰宅中に強盗目的で3人の男に車で連れ去られ、頭を金づちで殴られるなどして殺害された。

「殺さないでください」と何度も命乞いをしたにもかかわらず、奪われた命。

殺害の動機は「顔を見られたから」という安易なものだった。

この事件では、一審の名古屋地裁で2人に死刑判決が言い渡された。
しかし、1人は二審で無期懲役に減刑され、この事件の判決として最高裁で確定した。(後に別の事件で死刑に)

極刑を求め続けた被害者の母・磯谷富美子さんは、2011年当時“無念の思い”を明かしていた。
娘を殺害された磯谷富美子さん:
私は娘に何もしてやれなかったことがとてもつらいです。裁判は“誰のための裁判”なんだって…。

何の接点もなかった男3人を結びつけたのは、犯罪仲間を募集するサイト“闇の職業安定所”だった。

当時は“闇サイト”の存在が一般的ではなかったこともあり、事件は社会を震撼させた。
相次ぐ強盗事件に「娘の死は何だったんだろう」
そして事件から16年がたった今、全国で相次いでいる一連の強盗事件。
“ルフィ”を名乗る人物が指示役とみられ、実行役の多くはSNSの闇バイトに応募した人物たちだ。

闇サイト事件で娘を殺害された磯谷さんは、今なお“闇サイト”が犯罪の温床となっていることに憤りを隠せない。

娘を殺害された磯谷富美子さん(71):
何も改善されてないのかなって。娘の事件よりも、もっと凶悪になったのかなって。15年以上たっているのに、何も変わっていない現状を見ると、娘の死は何だったんだろうとすごく残念だし、悲しいです。

“闇サイト犯罪”を減らすためには、何が必要なのか――。
娘を殺害された磯谷富美子さん(71):
やっぱり子どものときからの教育でしかないですね。一人でも二人でも(闇サイト犯罪に)手を出す人を減らしていく対策は必要じゃないかなと。

今、過去の重い教訓から、多くのことを学ぶべきときが来ている。
(「イット!」 2月3日放送より)