永岡文科相は2日、卒業式でのマスク着用について「家庭の判断に委ねる」と発言した。しかし、その後、「現時点では決めていない」と発言を修正し、波紋が広がっている。

「卒業式のマスクは家庭の判断で」困惑広がる

3月に本格化する卒業式。小中学校の卒業式でのマスク着用をめぐって、2日、永岡文科相が新たな方針を打ち出した。

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永岡文科相:
マスクしなければ嫌だ、出席したくないというお子さんはマスクをし、マスクは外していくとご家庭で決められた方は、マスクを外しての参加となろうかと思っております。

永岡文科相は国会で、卒業式でのマスク着用について「家庭での議論が大きな要素を占める」と述べ、家庭の判断に委ねる考えを示した。

 突然、判断を委ねられた形の保護者からは、困惑の声が上がった。

小3の子を持つ親(40代): 
個人の自由ですって投げられたら、それまでじゃないですか。

小6の子を持つ親(40代): 
学校でこうしてくださいって言われた方が、トラブルがなくていい。

一方で、家庭が判断することに賛成という意見も。

中3の子を持つ親(60代): 
まだしばらくはマスクをつけさせておきたいと思いますけど。(それぞれの)家庭の判断で。 

3月に卒業式を控える学校現場は、どのように対応するのだろうか。

青稜中学校・高等学校 青田泰明校長: 
安心感ということを含めまして、ある程度、密になることも踏まえ、マスク(着用)は推奨したいと現時点では思っています。

3月20日に卒業式を行う東京・品川区の青稜中学校・高等学校では、卒業生の答辞はマスクを着用して行う予定だが、合唱は行わず、校歌をBGMで流す予定だという。しかし、マスク着用を家庭の判断に委ねた政府の対応には、首を傾げる。

青稜中学校・高等学校 青田泰明校長: 
ご家庭の判断にというのは、やはり少々無理があるんじゃないか。学校によっても、卒業式の規模は生徒の数とかで全然違いますから。学校がある程度指標を出すような形に、現実的にはなるんじゃないかと思ってます。

官房長官が「否定」 文科相は釈明に追われ…

ところが、2日午後4時。

松野官房長官は永岡大臣の発言について、「卒業式のマスクの取り扱いを決めた事実はない」と否定。 

永岡大臣も午後4時ごろ、急きょ取材に応じ、釈明に追われた。

永岡文科相: 
現時点で卒業式のマスクの取り扱いにつきまして、決めたという事実はございません。

急きょ説明することになった経緯を聞かれると… 

永岡文科相: 
えーっと、どうなんですかね? 

秘書官から耳打ちされた永岡大臣は、こう答えた。

永岡文科相: 
私自身が言っていることが誤解されているというようなことがあったようなので、それを修正をすると…修正をするじゃないですね!その趣旨をしっかりとお伝えしたいということです 。

永岡大臣の周辺は、国会で決まっていないことを発言したので「どうなっているんだ」となり、「訂正」したと話している。

(「イット!」2月2日放送より)