様々な電動モビリティのシェアリングサービスを一カ所に集めた、新たなシェアスポットが誕生した。

ENEOSホールディングスが2日、東京・世田谷区にオープンする「ENEOS マルチモビリティステーション」。

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電動スクーター、電動キックボード、電動アシスト自転車、小型EVまで、様々なシェアリングサービスが集結している。

ここは、いわゆる“ラスト1マイル”の移動に使われる、様々な電動モビリティのシェアリングサービスを集めた拠点

無人のオープンな造りで、利用者はそれぞれのアプリを使って、予約や返却・料金の支払いが可能だ。

ENEOSは「天気や目的地によって、利用者の移動の選択肢を増やしたい」としている。

「Live News α」では、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚(おさない・あつし)さんに話を聞いた。

内田嶺衣奈 キャスター:
電動モビリティのシェア拠点の開設。長内さんは、どうご覧になりますか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
今回の試みで特徴的なのは、「電気=EV」のように決めつけてしまうのではなくて、キックボード、二輪、乗用車など、様々なモビリティをとりそろえて統合的にサービスを提供するというところ。

新たな技術には不確実性が伴うので、様々な製品のアイデアを、幅広く探索的に試してみるということが、イノベーションにとっては大切だと言えます。

内田嶺衣奈 キャスター:
今回、シェアという形でサービスを提供することについては、いかがですか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
まさにそこ、所有ではなく“シェア”というのが、今回の試みのもう一つの特徴と言えます。

電動バイクやバッテリーEVは、バッテリーがコストの大部分を占めており、それは消耗品でもあります。例えば長年乗ったバッテリーEVを、乗り換えるために下取りに出した場合、バッテリーの消耗具合によって査定額が変わることも予想されるわけです。

こうした消耗品が大きなウエイトを占める製品を、所有ではなくシェアという形で利用するというのも、もう一つの新たな利用の仕方です。様々なモビリティを試すのと同時に、様々な新たなモビリティとの関わり方を試す、ということにもつながっていると思います。

将来のモビリティは、なにか一つの技術や商品に収れんしてしまうのではなく、用途や環境によって様々な技術や製品が併存し、多様化していくことになるかもしれません。

内田嶺衣奈 キャスター:
所有ではなくシェアなら、暮らしに合わせて様々な電動モビリティを試しやすくなりそうです。

(「Live News α」2月1日放送分より)