新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、密を避けるため、屋外レジャーが人気を集めている。そのアウトドアブームを追い風に、“走るホテル”とも呼ばれるキャンピングカー市場が拡大を続けている。

普及を図る日本RV協会によると、2021年の国内の売上合計額は新車・中古車を合わせて過去最高に達した一方、長引くコロナ禍で、その利用方法にも変化が起きている。
遠出のための「足」から、アウトドアや防災の「拠点」へ。福井県内の現状を取材した。

売上額は10年で3倍に…使い方の“変化”とは

キャンプ好きならば、一度は憧れるキャンピングカー。多くは普通免許で運転でき、2021年の国内の新車・中古車を合わせた売上額は635億円を超えて過去最高となった。この数字は10年前の3倍だ。

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県内でもその追い風を受けて、売り上げは好調だという。キャンピングカーの販売、レンタルなどを手掛ける福井市の「SiZENTO(シゼント)」は、これまでは長旅でのキャンプや車中泊といった使い方が主流だったが、近年、ある変化が起きていると話す。

SiZENTO 野邑高嗣店長:
コロナでキャンピングカーの利用者が単純に増えているのもあるが、アウトドアブームがあったので、それに伴って一緒に増えている

SiZENTO 野邑高嗣店長:
当初は旅行の足として使う人が多かったが、今はキャンピングカー自体を楽しむ人が増えている。アウトドアのツール、テントの代わりという形で、キャンプ場でよく見かける。うまく拠点として活用し、遊びに組み込んでいる人が多い

アウトドアだけじゃない!新たな活用法 災害時やコロナ禍にも

福井・坂井市の萩野敦さんは、愛犬と一緒にキャンピングカーに乗り、県内外問わず釣りに出かける。

キャンピングカーのオーナー・萩野敦さん:
わたしは釣りが大好きなので、全国の釣り場へ行って釣りをして、そこの近所で食材を買ったり、釣った魚を料理したりして食べる。好きな所へ行って好きな所で休めるというのが一番の利点

さらに、新たな活用法として期待されているのが「災害時」だ。

キャンピングカーのオーナー・萩野敦さん:
もしも災害が起きても避難所には行けない、ペットがいるから。かといってペットを置いていくわけにもいかない、家族だから。

キャンピングカーのオーナー・萩野敦さん:
なので、こういう車があると一番いい、携帯の電源として充電や、テレビも使える。停電時でも、冷凍庫や冷蔵庫は十分使える。はっきり言って、キャンピングカー自体が災害のアイテム

SiZENTOは県と、災害時にキャンピングカーを貸し出す協定を締結した。また、現在のコロナ禍にも役立つとみている。

SiZENTO 野邑高嗣店長:
コロナの一時避難所でも活用できる。コロナに感染していないけれど、仕事に影響するため少し離れておきたい場合に役立つ。閉じられた空間になるので、安心して休むことができる

最近は、イベント時に子どもを預ける託児所として利用したり、企業の福利厚生としても使われたりと、活用の幅は多岐にわたる。

SiZENTO 野邑高嗣店長:
キャンピングカーは、装備がいろいろそろっている。キャンピングカーのいろいろな使い方を、店として提案していきたい

快適に生活できる「居住空間」と、好きなときに好きな場所へ移動できる「車」。2つの要素を併せ持ったキャンピングカーの可能性は、広がり続けている。

(福井テレビ)

福井テレビ
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