福島県、会津の奥座敷・東山温泉の会津東山芸妓。京子さん(26)は、5年ぶりの新人として伝統とおもてなしの心を受け継ぐ。
好きで入った世界
京子さん:
基本の姿勢を身に着けることを意識しておりまして、指先や扇子の使い方だったり。ひとつひとつを身につけることを頑張っておりまして。難しいと感じるんですが、私が好きで入った世界ですから

2022年に会津東山芸妓となった、5年ぶりの新人だ。

日本舞踊の師匠・花柳真貴夫さん:
花柳界に飛び込んでくる若い子だから、大変だと思うんだけど。芸事好きで一生懸命やってるみたいだから、これから楽しみです

宮城県気仙沼市出身の京子さん。会津若松市の短大に進学し、卒業後も市内の会社で働いていた。

京子さん:
日本舞踊をしていたおばあちゃんの姿を小さいころ見て、私も踊りをやりたいと思って。8歳から10歳の2年間だけやっていたんですけども、大人になっても”またやりたい”という思いが胸にくすぶっていたんですね

幼いころに学んでいた日本舞踊への思い。その踊りも含め、会津を訪れた人をもてなす東山芸妓に魅了された。

京子さん:
どうしても踊りをやりたいという思いを、お母さん(女将)がかってくださって。26歳、少し遅いんですが入れてくださった

花佳 女将・今村初子さん:
やっぱり踊り好きなので。もう一回挑戦したくてなっていただいた貴重な存在ですよね

歴史・文化を伝えることも役目
かつては、150人ほどいた東山芸妓。しかし、平成・令和と時代の移ろいとともに宴席やお座敷も少なくなり、現在は20人ほどの芸妓衆が伝統をつないでいる。

東山芸妓には、唄や踊りだけではなく、会津の歴史・文化を伝えることも求められる。そのための勉強も欠かない。

京子さん:
人がいたとしても、それを継承していける人は数少ないということを、お母さん(女将)から教わったので。お母さん(女将)の思いに応えるためにも、一生懸命歴史をつないでいける人物になりたいと

会津に骨をうずめる覚悟で
この日は、贔屓にしてくれている常連のお座敷。姐さんとともに、京子さんも舞台にあがる。デビューから見守る常連も、京子さんの努力と成長を感じていた。

常連客:踊りも上手になったし、これから会津の伝統文化を守っていくことを約束した

京子さん:
”初心を忘れずに、このままのあなたで進みなさい”とよく言われるので、気持ちを忘れずにまっすぐに突き進んでいきたいです。会津に骨をうずめる覚悟で芸妓を目指しましたので、これからもその思いはかわらないです

人と人を結び、会津の心を伝える東山芸妓。新人芸妓は、この道をひたすらに進んでいく。

(福島テレビ)