爬虫類や両生類に特化した動物園の園長が、長年の夢だった「爬虫類と暮らす家」を住宅メーカーと共同開発した。リビングで大型トカゲと一緒に暮らしている気分になれるそうだ。動物園の隣には専門病院も開設し、動物園との「二刀流」で爬虫類ファンの拡大をめざす。
「珍しさ」と「近さ」がウリ
国内最大級、体長5ｍを超える「イリエワニ」。
日本に3頭しかいない「ガラパゴスゾウガメ」。
世界の爬虫類と両生類が展示されているのが、静岡県河津町の「iZoo（イズー）」だ。
iZooの最大の特徴は「珍しさ」と「動物たちとの近さ」。
小倉彩瑛アナウンサー:
あっ、カメが脱走しちゃっていますよ！
iZoo・白輪剛史 園長:
ここはカメが通路を縦横無尽に歩けるようになっていて、放し飼いなの
絶滅危惧種の繁殖に国内初の成功
さまざまな爬虫類や両生類の動物たちを間近で体感できるだけではない。
2022年10月には、絶滅危惧種に指定されている「レッサーアンティルイグアナ」の繁殖に国内で初めて成功した。
iZoo・白輪園長（2022年10月）：
昨夜 生まれたばかりです
また、2022年７月には「アルダブラゾウガメ」が自然ふ化する、世界的にも貴重なシーンを撮影できた。
爬虫類・両生類の専門病院を併設
そんなユニークな動物園のもうひとつの顔が、“動物園の横”にあった。
小倉アナ：
iZooの横に来ましたけれど…
iZoo・白輪園長：
これがiZooの病院です。iZooに併設した、外来診療のできる爬虫類・両生類に特化した専門病院
そう、 iZooは「動物園」と「動物病院」の二刀流なのだ。
2022年6月に開院した爬虫類と両生類に特化した動物病院。
iZooの動物たちの健康診断や治療はもちろん、愛好家のペットの外来診察も行っている。
病院には動物たちのケガや病気を治療するため、超音波診断装置（エコー）や自動麻酔器、それに血液の生化学検査機などさまざまな機器が備えられている。
iZooの病院・後藤正院長：
生息する場所で体調を崩すことも多いので、そこも考えながらやっています。気温が下がることで呼吸器の病気になることや、季節によって病気も変わってくるので気を付けています。（ペットたちは）与えられた環境で生きているので、気温や設備など飼育者が考えながら整えてあげなければ動物の病気につながってしまう。飼い主も学びながら飼ってもらえたら
また、院長の獣医とともにiZooの飼育員もスタッフにいるため、飼育する上での専門的なアドバイスも受けられる。
園長の夢「爬虫類と暮らす家」も提案
爬虫類と両生類の動物たちへの愛がたっぷりつまった動物園。
2022年12月完成したのは、園長が「夢だった」と語るモデルルームだ。
iZoo・白輪園長：
爬虫類は一般的には小さな水槽で飼うことが多いけれど、動物園では大きな水槽で飼う。それを自宅で再現できたらもっと楽しくなるだろうなと。「（自宅の）リビングに、こういうものを作りませんか」と提案したい
開園10周年を機に、地元の住宅メーカーと共同開発した「爬虫類と暮らす家」。
リビングの向こうには、植物が生い茂る爬虫類の生活スペースが広がっている。強化ガラスで隔てられていて臭いがすることはなく、全館空調システムで快適な温度が保たれている。
さまざまなアイディアを形にして、動物園に足を運んでもらう。
常に考えているのは、爬虫類や両生類のファンを増やすことだ。
iZoo（イズー）・白輪剛史 園長：
「爬虫類が怖い・苦手」という意識を変えていくためにやっている動物園なので、まだまだ進化していくし、（爬虫類の）魅力を皆さんに知っていただきたい
日々進化する動物園。
訪れるたびに新たな発見が生まれることは間違いない。
（テレビ静岡）
