投資を加速し、「資産所得倍増」へ。経済政策をこのように掲げる岸田総理大臣は4日の年頭記者会見で次のように述べた。

岸田文雄首相:
“資産所得倍増”に向け、長年の課題であった“NISAの恒久化”など、覚悟を持って先送りできない問題への挑戦を続けてまいります

「NISA」=少額投資非課税制度とは、投資をする人を増やすため少ない額で始められ、一定の額までなら得られた利益に税金がかからない優遇制度だ。

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「NISA」をしているか?街で聞いてみると、

60代男性:
やってます。制度始まったときから

30代男性:
結婚をきっかけに貯金しようかなと思って。貯金代わりに“つみたてNISA”っていう感じでやってます

20代女性:
変動の少ない株を買って、積み立てしてます、マイナスが少ないのを選んで。
プラスにちょっとでもなればいいかな、みたいな

若い世代を中心にある程度広がりつつある「NISA」ですが、日本にある金融資産およそ2000兆円のうち、1000兆円以上が現金で貯蓄されているといわれている。政府は、この貯蓄を投資へと回してもらうことで収入を増やし、経済を活性化させたい考えだ。

「新NISA」では非課税期間が無期限に

NISAには現在、投資先などを金融機関が決め、自動的に買い付けてくれる「つみたてNISA」、自分で投資先を選べる「一般NISA」などがある。非課税で運用できる期間は「つみたて」の場合20年、「一般」は5年といった制限があった。

これが来年から大きく変化する見込みだ。今後新しいNISAに関する法律が国会で成立すれば、期間の制限が無くなり、ずっと非課税が続くことになる。さらに年間に投資できる額も増えるのだ。

民間の相談窓口では、相談件数が増加中

新制度をどう活用すればよいのか、判断がつかない人が多い中、神戸市に設置されている民間の窓口では、投資のプロがそれぞれの生活プランを聞き取りながらアドバイスをしている。

記者リポート:
NISA制度の恒久化を受けて、こちらの投資相談を受け付ける窓口では相談件数が増加しているということです

アドバイザー:
(新制度は)投資枠が大幅に増え、かつ非課税になる期間が無期限になる。奥さんもつみたてNISA利用してもらえると、お2人で投資できる金額がかなり増える

相談者 30代男性:
子どもの将来の、養育費をある程度貯えたいなと思っていたので。貯金だけでは将来どうなってるか自分たちにも分からない

相談者 50代女性:
老後の“2000万円問題”とか、テレビでもよく聞きますし、80歳、90歳ぐらいになったときに、カツカツの生活費では怖い

知識不足から不安の声も

しかし、一方でこんな声も聞かれる。

70代女性:
やってみようという気持ちはありますよ。でも、どうかなっていうのもまたあるわね

80代男性:
NISAでもリスクはありますわね

20代男性:
やってみようと思うんですけど、知識がないから踏み込めない

20代男性:
もっと知識をつけてから。やっぱり無知でやるのは怖いかなと思うので

今注目される「NISA」。始めるか、静観するか。ことしはその判断をする1年にしてみませんか?

(関西テレビ「報道ランナー」2023年1月6日放送)

関西テレビ
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