北海道内の高校で、新たな校歌を作ろうという動きが出ている。手掛けるのは"歌手のショッピングモールの歌姫"とも言われる半﨑美子さんだ。校歌作りの背景には、時代とともに変わる通信制の高校の役割があった。

時代に合った校歌を

札幌市北区の北海道有朋高校。1967年に開校した通信制と単位制の課程をもつ道立の高校だ。

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道立有朋高等学校 元紺谷 尊広 校長:
初任校が実は有朋高校の通信制で多くの生徒は社会人でした。30代、40代、50代の方々が多くで、学校を盛り上げる生徒会の役員もほとんどが社会人か主婦

開校当時の校歌には「働き学ぶ有朋の友のきずなは強く強くあれ」とあり、働きながら高卒資格をとる大人の勤労学生を描いた歌詞だったことがわかる。

しかし、55年がたち有朋高校の役割も変化してきた。

道立有朋高等学校 元紺谷 尊広 校長:
今の生徒は、年齢層や置かれている境遇が、昔とかなり違う。歌詞に書かれた「働く」という部分には違和感を感じているのかなと思っていた

現在通う生徒は単位制が226人で通信制が3097人。

そのほとんどが何らかの事情で全日制の高校に通えなくなった子どもだ。

今の時代にあった校歌にしたいと考え、元紺谷校長は新たに校歌の制作を依頼した。

白羽の矢が立ったのは、札幌出身のシンガーソングライター、半﨑美子さんだ。

ショッピングモールでライブ活動をすることから、"ショッピングモール"の歌姫と親しまれている。

半﨑​ 美子 さん:
こんにちは!

学校祭のライブに出たことをきっかけに校歌を任された半﨑さん。この日は曲作りのため、有朋高校を直接訪れた。

半﨑 美子 さん:
今だけでなくこれから有朋高校に通われる方にとって、ともに伴走するような歌をみんなと一緒に書き上げたい

歌詞を作るにあたり、生徒からいまの有朋高校について話を聞いた。

有朋高校の生徒:
自分のペースで勉強しながら自分の好きな趣味に没頭できる

有朋高校の生徒:
バイトと部活と学校、全部両立するためには時間の使い方を学ばなければいけない

有朋高校の生徒:
自分で計画を立てて主体性を持って動いていくことができるようになったと実感しています

有朋高校の生徒:
全日制高校にいたんですけど、転校してきて他の協力校の友達ができるのはすごくよかったと思う。責められながらこの学校に来たけど…今ではここに来れて良かったなと思う…」

半﨑​ 美子 さん:
自分の思いではなく、みなさんの思い、先生たちの思いを何とか校歌という形で。その校歌をみんなが歌いやすく。そしてまだ有朋に出会っていない方たちにも有朋の魅力が伝わるようにしたいと思っています。楽しみにしていてください!

ショッピングモールの歌姫と、生徒たちが作る新たな校歌は、2023年3月の卒業式でお披露目される予定だ。

北海道文化放送
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