今週末は、6年ぶりに休日にクリスマスを迎える。そんな中、フリマアプリでクリスマスプレゼントを購入することを、6割の人が好意的にとらえていることがわかった。     

“クリスマスプレゼントをフリマで購入”6割がOK メルカリ調査

フリマアプリのメルカリは、クリスマスプレゼントに関する意識調査を実施(対象:20~59歳・男女1032人)。

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フリマアプリで購入した物をクリスマスプレゼントとして贈ることについて、「未使用品ならばいい」が43.2%、「未使用品・中古品問わずいい」が19.5%と、約6割の人が問題ないと考えていることがわかった。「よくないと思う」は37.3%だった。

その理由(複数回答可)について、「品質が良ければいい(59.4%)」のほかに、「珍しいモノ・一点モノがある(29.8%)」や、「もう売られていないモノがある(26.7%)」などが挙がった。市場でなかなか買えない商品をフリマアプリで購入し、プレゼントする傾向が高まっているようだ。

メルカリは、「新しい価値観や消費行動を受け入れやすい若年層を中心に、リユース品によるプレゼントの潜在市場が喚起されている可能性がある」と分析している。

変わる中古品のイメージ “古い・汚い” → “一点モノのおしゃれアイテム”

「Live News α」では、一橋ビジネススクール准教授の鈴木智子(すずき さとこ)さんに話を聞いた。

海老原優香 キャスター:
クリスマスの贈り物が、いわゆる新品であるかどうかにこだわらない方が約6割と のことですが、鈴木さんは、どうご覧になりますか?

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
かつては“消費”と“所有”が社会的な影響力を示す強力なシグナルであり、中古品は「誰かのお古」あるいは「汚い」といったイメージをまとい、社会的な弱さを示すものでした。

それが今、「中古品」といったコトバの意味が変わりつつあります。
最近では、セレブリティが古着をカッコよく着こなすなど、若者やトレンドセッターにとっては、世界に一つしかないおしゃれなアイテムとなっています。

そのため海外では、「ヴィンテージ」なプレゼントを贈ることは、環境に優しく、贈り主が時間をかけて選んだことを示す、大変ファッショナブルな行為となっている。

海老原優香 キャスター:
プレゼントを贈るということは、相手のことを考えることでもありますよね。

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
海外ではヴィンテージのプレゼントを贈る上でのエチケット、「思いやり」を表現する方法が存在します。
まず、ヴィンテージであることを伝えること、これは大切です。
そして選びに選んだヴィンテージギフトを「宝物」にするストーリーを添えます。例えば、プレゼントを贈る相手の生まれた年のワインだったり、さらには、お店で簡単に買うことのできない「一点モノ」をメルカリなどで苦労して手に入れた、こうした物語が伝わると感激も増すはずです。

そしてもちろんヴィンテージでも、清潔で綺麗であるということが大切です。
さらにパッケージの包装紙やリボンなどに工夫があるのも、相手の心をくすぐります。

海老原優香 キャスター:
確かにプレゼントを贈る際に、心がこもっているかどうか、それが相手に伝わることが大切ですよね。

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
プレゼントを贈ることは、「象徴的な消費」といわれます。
あげる方にとっても、もらう方にとっても、物質的な利益よりも、そのシンボルや意味に価値がある。つまり、新品であろうと少し古いものであろうと、贈り主の想いがこもっていることに価値がある

そういう意味では、フリマでクリスマスプレゼントを選ぶことが、決してチープでなく、クールな消費になる日もそう遠くないかもしれません。

海老原優香 キャスター:
私も祖母が使い、母が使ったカバンを譲り受け、10年ほどたちました。祖母と、母の思いを感じながらとても大切にしています。
贈り物に思いを込め、そのストーリーを受け止める。2022年のクリスマスが、そんな機会になるといいですね。

(「Live News α」2022年12月22日放送分より)