ソーシャルメディア大手・ツイッターのイーロン・マスクCEOが、自身の進退を問う投票を行った結果、トップを退くべきとする意見が賛成多数となった。

マスク氏トップ就任後混乱続く…6割近くが“退くべき”

マスク氏は、自身がツイッターのトップを退くべきかどうかの投票をツイッター上で行い、日本時間の19日夜、締め切った。

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その結果、投票総数は1750万票を超え、退くべきが57.5%で賛成多数となった。マスク氏は「投票結果に従う」としている。

マスク氏はCEO就任後、投票でトランプ前大統領のアカウントの復活を決めたほか、自身に批判的な記者のアカウントを一時凍結するなど、その運営の混乱に批判が高まっていた。

一方で、“自身の後継者は見つかっていない”とも投稿していて、今後の経営体制が注目される。

1日で5億円超の赤字…大手企業のツイッター離れも チームで対策がカギ

「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーに詳しい、IoT / AIの専門メディア「IoT NEWS」代表の小泉耕二(こいずみ こうじ)さんに話を聞いた。

内田嶺衣奈 キャスター:
イーロン・マスク氏が、ツイッターの経営から退くことへの賛成票が約6割となりましたが、小泉さんは、どうご覧になりますか?

IoT NEWS 代表・小泉耕二さん:
個人的には、続投して欲しかったので残念です。前経営者時代にも課題はたくさんあったわけで、多くのツイッター利用者にとって重要なのは“CEOが誰なのか”ではなく、“ツイッターがいかに快適な空間か”ということではないでしょうか。
そもそも現状のツイッターでは、誰でも何個でもアカウントを作れることもあり、面白がって投稿する人や、組織票も可能です。とてもまともな投票になっていたとは思えません。

内田嶺衣奈 キャスター:
魅力的な人物と感じる方も多いかもしれませんが、一方でマスク氏が次々に打ち出した改革によってツイッター内は、混乱しているようですね。

IoT NEWS 代表・小泉耕二さん:
1日あたり約5億円以上の損失を出しており、多くの社員を解雇したのですが、その結果、コアメンバーも続々辞職しているとのことです。
そのため違反摘発チームが機能しなくなっていて、ミスリードの投稿や、人を中傷する投稿への罰則が適用できなくなっているといいます。

この混乱を嫌って、ファッション企業のバレンシアガなどはプロフィールを全て削除しましたし、GMやフォードも広告出稿をとりやめるなど、大手企業のツイッター離れも起き始めていて、このままでは改革以前に業績が悪化しそうです。

何より「自由な言論の場としてツイッターを守りたい」と言っていたのに、自分を批判したスタッフは解雇したり、ジャーナリストのアカウントを凍結したりしています。
今後140文字の文字制限がなくなる可能性もあり、ツイッターらしさをどこに求めるのかが問題になりそうです。

内田嶺衣奈 キャスター:
ツイッターが混乱を落ち着かせ、ここからまた再び成長するためのカギは?

IoT NEWS 代表・小泉耕二さん:
ゼロイチの立ち上げであれば、こういう朝令暮改も良いと思うのですが、ツイッターは既に3億人以上が使っているサービスです。
混乱している認証バッジをどうするのか? 管理体制をどうするのか?どうやって利益を生み出すのか?なにより、言論の自由とどう向き合うのか?これらはどれも経営には重要なことばかりです。

素早い意思決定をしていくこと自体は素晴らしいのですが、もう少し実行上のアプローチや、
影響範囲を検討できるチームを作って対策案を練らないと、
行き当たりばったりのサービスとなってしまい、ツイッター離れが加速すると思われます。
世界的に見ても日本はツイッターの利用が進んでいる国でもあるので、前向きな議論をして、
良い方向に向かっていただきたい。

内田嶺衣奈 キャスター:
本来、ツイッターは情報を得たり、人とのつながりを楽しむはずのものです。安心して利用出来るように、変わっていくといいですね。

(「Live News α」2022年12月19日放送分より)