おいしいが、値段が高いのがウナギ。そのウナギの食感に似ていて代わりになる魚として今、注目されているのがナマズだ。そのナマズを廃校のプールで養殖しようという取り組みが愛媛・新居浜市で始まっている。
高騰続くウナギの“代替”に…注目の魚ナマズ
11月に新居浜で行われた、かば焼きと天ぷらの「試食会」。
試食した人A:
すごくおいしいです
試食した人B:
おいしいです
試食した人C:
ちょっとウナギの方がおいしいかも

試食した人D:
ウナギより価格が抑えられるんだったら、こっちでも十分おいしく感じると思います
試食した人E:
イメージがあれですけど、食べたらおいしかったので、ウナギよりこっちの方が好きかな
参加者がおいしそうに味わっていた魚は、ナマズだ。

ワクリエ新居浜 スマート養殖アドバイザー・白石悠さん:
二ホンナマズっていうのは、ウナギに比べると価格も断然安いですし、かといって、味は全然ウナギにも劣らないおいしさがありますので

スタミナ食材としても人気が高いウナギ。しかし、価格の高騰が続き、おいしいけれど高くてなかなか食べられない、そんな魚のひとつになってしまった。
そこで、ウナギに代わる魚として注目されているのがナマズだ。
廃校プールでナマズの試験養殖始まる
新居浜市にある廃校した小学校のプール。11月から、ここでナマズの試験養殖が始まった。
このプールは廃校施設の新たな活用やICTを取り入れた新たな養殖のカタチを目指す場所として使われている。

ワクリエ新居浜 スマート養殖アドバイザー・白石悠さん:
今、この25メートル×16メートルのプールでだいたい15センチくらいのナマズを250匹程度飼育しています。見ていただいたら分かるように、ろ過槽とか大きい規模での施設というのは設けていませんので、安価に養殖ができますし、餌に関してもコイとかエビとか、比較的安価に手に入るような餌でもナマズというのは大きくなってくれますので、そういったところもナマズ養殖の鍵かなと思います

ナマズは池や小川などに住んでいて、食べると独特の臭みがある。しかし、養殖に取り組む白石悠さんは、プールで養殖することでおいしい魚にすることができると、ナマズ養殖の成功に自信を持っている。

ワクリエ新居浜 スマート養殖アドバイザー・白石悠さん:
こういう養殖で魚を育てることによって味をコントロールできますし、できたら3年以内というところに収めて養殖できたらいいなって思います
「和・洋・中何でも使える食材に」味も折り紙付きのナマズ
ところで、気になるのはナマズの味だ。プールで数カ月間育てられ、50センチほどになったナマズを飲食店で実際に調理してもらった。

若宮食堂・青木淳店長:
肉厚で新鮮なんで、そこまで臭みもないと思います。皮が食べやすいと思うので、皮がおいしいと思います
名護谷希慧アナウンサー:
私、ウナギは大好きなんですが、ナマズはまだ食べたことがなくて。いったいどんな味なんでしょうか。気になります
若宮食堂・青木淳店長:
ナマズのかば焼き丼になります

早速、名護谷アナウンサーが運ばれてきたナマズのかば焼き丼を試食する。
名護谷希慧アナウンサー:
見た目はウナギに近いですね。ナマズなんですよね。このタレのつや、照りっとした感じがおいしそうです。ウナギ、味はウナギですね。ただ、ウナギよりも身が厚くて、すごくふっくらとしてるので食べ応えがあります。ボリューム満点。皮の部分がその分ちょっと厚みがある分、存在感があるなというのがウナギとは違うところですかね。全然、クセがなくて食べやすいですね

若宮食堂・青木淳店長:
白身魚に近い感じで。ウナギだったら、かば焼きか塩焼きだけなんですけど、ナマズの方は白身魚に近いので、フライとかソテーとか和・洋・中何でも使える食材になっていると思うので、これからいろんな料理になっていくと思います

味も折り紙付きのナマズ。このプールの養殖では、産卵から地元・新居浜に徹底的にこだわる。
ワクリエ新居浜 スマート養殖アドバイザー・白石悠さん:
この子たちは次、来年・再来年にかけて、この子らを親にして愛媛産のナマズっていうのを育てようと思って、今飼育しています。完全に地元産のナマズっていうところにチャレンジしていきたいと思っています

あのウナギのおいしさを、新居浜のナマズで味わえることができるのか。愛媛の、全国の期待が新居浜のプールに寄せられている。
(テレビ愛媛)