12月13日放送のめざまし8に田中碧選手が生出演。強豪スペインを破る決勝ゴールを
生んだ三笘選手との絆について、そして2026年のW杯に向けての思いなどを語りました。

「田中碧はかわいがられるタイプ」

田中碧選手と三笘薫選手はともに川崎市出身。幼少期に「さぎぬまSC」でプレーしていたことから“さぎぬま兄弟”と呼ばれています。
世界的に見ても、幼少期から一緒にプレーをしていた選手がW杯の舞台に一緒に立つということはなかなか珍しいといいます。
2人は小学校中学校も同じところに通い、川崎フロンターレの下部組織に所属していました。
田中碧選手はどんな選手だったのでしょうか。三笘選手の幼なじみ、岸晃司選手に聞きました。

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エブリサ藤沢ユナイテッド 岸晃司選手:
碧がけっこうグイグイ先輩にもいけるかわいがられるタイプなので、全然仲良くやってました。なんかいつも一緒にいるんですよね。やっぱり薫っていうすごい目標に対して努力できる選手が身近にいて、碧はそれをたぶん肌で痛感して自分もやんなきゃと思ってやり始めたと思うので、そういうのはすごくあるのかな。

この証言について、田中選手は…

田中碧選手:
かわいがられるという自覚はないですけど、年上の選手がすごく好きなので、グイグイというか、たまに生意気とは言われますけど、仲良くさせてもらっています。
学ぶものがたくさんあるので。年下の選手からも学びますけど。

“さぎぬま兄弟”幼少期から変わらぬ関係性

幼い頃から一緒にプレーをしていた田中選手と三笘選手。田中選手から見た、幼少期の三笘選手はどのような印象だったのでしょうか。

田中碧選手:
小さい頃から変わらないですね。クールな感じというか。そんなにたくさんしゃべるわけでもなく。背中で語るじゃないですけど、プレーで示す感じは小さい頃から変わっていないですね。

小さい頃から関係性は変わらないと語る田中選手。
スペイン戦の試合後、ピッチで抱き合い喜びを分かち合った2人ですが、田中選手は「(三笘選手が)あんなに喜ぶ姿は見たことない」といいます。
幼少期から、いつか日本代表としてW杯という大きな舞台で戦おうという話はしていたのでしょうか。

田中碧選手:
話はそんなにしたことなかったんですけど、ただそれが唯一実現できるのが代表だったので。僕は一緒にプレーしたかったのでずっと代表を目指していました。
 

高校卒業後の2017年、田中選手は川崎フロンターレに入団します。一方の三笘選手は高校卒業後、筑波大学に進学した後、2020年に川崎フロンターレに入団。2人は2020・2021年チームのJ1連覇に貢献しました。そして2021年、田中選手はドイツのデュッセルドルフに移籍します。この後に行われたのが東京五輪。

メキシコと戦った3位決定戦後、田中選手は三笘選手の存在について「ずっと追いかけてきた存在というかお兄ちゃんみたいな存在。一緒にサッカーするためには自分が上に行かないといけなかったので。お兄ちゃん的な存在でありながら自分の目指すべきステージにいる選手ではあったのかなと思う」と話していました。
一方で三笘選手は田中選手について「自分のことをよく理解してくれている」「自分が監督をする際コーチとして呼びたい」と語っています。

田中碧選手:
(高校卒業後は)世代別の代表とかでプレーしている姿を見ていたので、僕もそこに行きたいと思っていましたし、フロンターレの練習に何回か来ていたので、その時久々にサッカーをして、もっともっと頑張んなきゃいけないなと刺激はずっともらっていました。
 

川崎フロンターレで三笘選手と一緒にプレーできるのはうれしかったという田中選手。

田中碧選手:
特別な意識というのはないんですけど、小さい頃からの日常がここまで続いてきてくれたので。僕がボールを持ったときに最初に見るのは薫さんでもあったので、そこは信頼関係があるのかなと思います。

「絶対真ん中に返ってくる」絆が生んだ“歴史的ゴール”

W杯決勝トーナメント進出をかけたスペイン戦で、三笘選手がラインギリギリで折り返したボールを、田中選手が体ごとねじ込んだゴールは世界を驚かせました。試合終了後、2人は抱き合って「よくいたお前!」「来ると思ってた!」と言葉をかけあっていましたが、このゴールを決めたときはどのような心境だったのでしょうか。

田中碧選手:
ラインを出る出ないはわからなかったですけど、絶対に真ん中に返ってくるなとは思っていました。三笘選手とボールと、その2つしか見えていなかったです。
 

田中選手が起点となってパスを受けた堂安選手から三笘選手へ、そして乗り出した自分の元にボールが戻ってくることはイメージしていたのでしょうか。

田中碧選手:
このタイミングでもう一回堂安選手が来るかなと思っていて、越えた後にはもうシュートがなかったので来るんじゃないかなと思ったら本当に来たので。すごく不思議な感覚ではありました。

VAR判定の際、伊東純也選手と何か話をしていたようですが、どんな話をしていたのでしょうか。

田中碧選手:
「出たでしょ」と。中から見ているとボール出ていたので「出てたよね」とお互い一致したので、そうだよね、っていう感じでした。
 

真ん中に返ってくると信じて、勢いよくねじ込んだ田中選手の逆転ゴール。
堂安選手が決めた同点ゴールの後、勢いよく前に行こうというのはチームの意識としてかなり強いものがあったのでしょうか。

田中碧選手:
ドイツ戦で後半逆転できたので、スペイン戦もそういう戦い方をしようというのは試合前から決まっていて、それで後半最初に1点取れたので、その流れで行こうっていうので2点目も取れた形になりました。

田中碧「4年後は壁を乗り越えられる」

世界トップレベルのチームに勝ち、クロアチアともPK戦までもつれこんだものの、ベスト16の壁は越えられなかった日本代表。W杯という最高峰の舞台で感じた世界との差について田中選手は…

田中碧選手:
僕個人としては初戦の段階から差があるなというのは感じて。とはいえ、チームが勝つというのはうれしかったし、そこの強さというのは今までと比べて強くなったなと思いましたけど、ベスト16の試合を経験して、クロアチアとの差というよりかは、ベスト8、世界の8カ国に入る差というのはそんな簡単に縮まるもんじゃないなと思いました。
この経験は必ず力になるなと思っていますし、4年後この壁を乗り越えられるとは思っています。
 

さらに、4年後に向けて、こう語ります。

田中碧選手:
W杯の舞台で何ができるかっていうのがすごく大事だなと感じているので、そこで『120%を出さないと戦えないようではだめだ』というふうに思っていて、あの舞台で100%出すというのはすごく難しいので。あそこで『80%、70%でも体で対等にやり合えるような力をつけないといけないな』というふうに感じました。
 

ベスト8進出を前に立ちはだかったクロアチア。田中選手が、PKを外して呆然とする三笘選手に駆け寄る様子がカメラにとらえられていました。あの瞬間、どのような思いだったのでしょうか。

田中碧選手:
僕も悔しかったので、その瞬間は自分の意思というよりかは勝手に体が動きました。
言葉も出なかったです。肩に手を添えることしかできなかったです。

W杯への熱い思い「優勝目指したい」

「ここには化け物と言われるような選手しかいない。その選手が世界を変えていく。この経験を踏まえて4年後に自分がそういう存在になって戻ってきて日本を勝たせたい」という思いで、インスタグラムに「化け物になって戻ってこよう」という言葉を残した田中選手。
2026年のW杯ではどこを目指していくのか聞くと…

田中碧選手:
僕は優勝目指したいなと思います。それが可能だと思っていますし、そのためにこの4年間でそれをかなえるために意識し続けていかなきゃいけないと思うので。4年後自分がどうなっているのか今からすごく楽しみではあります。
今回、ベスト8の壁はちょっとのぞいたくらいかなと。まだ明確には何かというのはわからなかったですが、それをこの年で経験できたのはすごく幸せだったなと思います。
 

4年後は「優勝を目指す」という田中選手から、最後に熱いメッセージが。

田中碧選手:
今大会熱く応援してもらいましたし、毎試合毎試合いろんな方と勝利を喜べてすごく幸せでした。僕はすごく悔しかったですし、見ている方も悔しい思いされたと思うので、この経験を無駄にせずに、4年後また皆さんと違う景色を見てまた一緒に日本を熱くできたらいいなというふうに思うので、また一緒に戦ってください。

(めざまし8 12月13日放送)