JALとTSKさんいん中央テレビがコラボ。今回は客室乗務員でJALふるさと応援隊の安藤綾子さんが羊に会いに島根・大田市を訪ねた。2018年に大田市にIターンし、三瓶山の裾野で羊を飼い羊毛製品をつくる女性を取材した。

島根で営む“人とひつじの共存”

秋も深まり、冬支度が始まった大田市の三瓶山。

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JALふるさと応援隊・安藤綾子さん:
こんにちは。かわいい羊ですね

Kasagi Fiber Studio・笠木真衣さん:
ありがとうございます。一頭ずつ名前もついてるんですよ

大田市で12頭の羊を育てている笠木真衣さん
大田市で12頭の羊を育てている笠木真衣さん

ここで12頭の羊を育てているのは笠木真衣さん。次女の應ちゃんも一緒に羊のお世話をしている。

笠木さんは毎年5月に羊の毛を刈り、羊毛製品を作って販売している。販売しているのは靴下と布地、そしてカーペットの3点。混合毛で、全てが笠木さんの羊の毛ではないが品質が良く好評だという。

笠木さんの羊毛は、生地界の芥川賞とも呼ばれる「ジャパン・テキスタイル・コンテスト」で2020年にグランプリに輝いた。個人がグランプリを受賞したのは約20年ぶりだ。

国からお墨付きをもらった羊毛の靴下の履き心地は…。

JALふるさと応援隊・安藤綾子さん:
暖かくて厚みがあって、履き心地がいいです。私は冷え性ですが、冬が暖かく過ごせそうです

Kasagi Fiber Studio・笠木真衣さん:
調湿効果がありまして、指の間にかく汗などを吸って、湿度を調節してくれるんです

刈り取った毛は紡績工場に出し、業者が商品化する。笠木さんのこだわりは出す前の下処理だ。

Kasagi Fiber Studio・笠木真衣さん:
ゴミ取り作業なんですけど、こうやって取っていただくだけなんです

下処理のゴミ取り作業はとても根気がいる作業
下処理のゴミ取り作業はとても根気がいる作業

JALふるさと応援隊・安藤綾子さん:
ほんとに細かくて、根気がいる作業ですね

Kasagi Fiber Studio・笠木真衣さん:
手作業ですべて行うことで、熱や薬品の使用を抑えて加工できます。熱や湿気を羊毛繊維の中に残して置くことができる。健康なウール製品にできるんです

笠木さんは手作業で毛を洗って丁寧にゴミを取り、毛を傷つけないようにしている。このひと手間で長年使える丈夫で良質な生地になるという。

世界進出も決まった“将来の名産品”

さらに、三瓶で育てるとこんな特性も…。

Kasagi Fiber Studio・笠木真衣さん:
紫外線が少ないことや湿度が高いこともあって、羊毛がしっとりとして、すごく艶やかに成長する

笠木さんは神奈川出身だが、羊が飼えそうな古民家が三瓶に見つかり、2018年に夫の地元・島根県に家族で移住した。

Kasagi Fiber Studio・笠木真衣さん:
想像をはるかに超える素敵な地域だなと思っています。楽しい思いばかりです。地域の方も羊をかわいがって受け入れてくれました

夢だった田舎暮らしで4頭の羊を飼い始めた。夫も仕事の傍ら、羊の世話を手伝ってくれる。4頭だった羊も、いつの間にか12頭に。子どもも2人から3人に増えた。

JALふるさと応援隊・安藤綾子さん:
今後の夢や目標はなんですか

Kasagi Fiber Studio・笠木真衣さん:
私の事業のテーマが人と羊の幸せな共存。この活動を通して、人と羊が幸せになっていくということを製品に込めて、皆さんに届けたい

笠木さんの羊の生地は、2023年2月にパリで開かれる見本市に出展することになり、世界進出も決定した。また、大田市のふるさと納税の返礼品にもなっている。

三瓶で育む羊毛製品。温かな思いも一緒に、大田市の“メェ~”産品になるか期待したい。

(TSKさんいん中央テレビ)

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