広島市中心部と郊外の住宅地を結ぶ電車「アストラムライン」に、鉄道ファンだけでなく受験生に人気のオリジナルグッズがある。その正体を明らかにするため、普段は見られないアストラムライン内部に潜入した。

受験に縁起が良い人気グッズ

テレビ新広島の”てっちゃん”こと野川諭生アナウンサーがやってきたのは、広島市中区の本通り。ここにアストラムラインの起点「本通駅」がある。

アストラムライン本通駅の出入り口
アストラムライン本通駅の出入り口
この記事の画像(33枚)

野川アナ:
私が手に持っているのは、受験生におすすめのアイテムです。実はこれ、あるものがよく通るということで受験に縁起が良いとされるキーホルダー。アストラムラインの運行に欠かせない重要なもので作られているんです

野川アナが「すべすべしたい」と絶賛するキーホルダー
野川アナが「すべすべしたい」と絶賛するキーホルダー

キーホルダーはアストラムラインの本通駅と県庁前駅で販売中。駅構内の自販機にもみじ饅頭と並んで売られている。

本通駅の自販機にキーホルダーを見つけた野川アナ
本通駅の自販機にキーホルダーを見つけた野川アナ

野川アナ:
ありました!「合格祈願 電車線キーホルダー」

広島名物もみじ饅頭と肩を並べる人気グッズ
広島名物もみじ饅頭と肩を並べる人気グッズ

このキーホルダーは発売から1週間で約50個売れた人気商品。学問の神様と呼ばれる菅原道真公をまつる尾長天満宮(広島市東区)で合格祈願をしてもらっているという。

合格祈願アイテムとして人気の理由は”電車線”にありそうだ。電車線とは何なのか?調査するため、アストラムラインの運営会社がある長楽寺駅へ向かった。

野川アナ:
動き出しましたよ!アストラムラインは本通駅から県庁前駅までの300メートルが、法律上地下鉄の扱いになるんですね

鉄道ファンとしては、アストラムラインも大好きな電車のひとつ。新白島駅から地上に出たら約10~25メートルの高さを走る。地下から高架線へ…その勾配もアストラムラインの魅力だ。野川アナが特に好きなのが、不動院前駅を過ぎた辺りのカーブ。

カーブになるとテンションが上がる野川アナ
カーブになるとテンションが上がる野川アナ

野川アナ:
祇園新橋をグーっと曲がって大河・太田川を渡っていきます。広島らしさを感じられる眺めですね!高いところを走っているからならではだと思います

太田川にかかる祇園新橋よりさらに高いところを走行
太田川にかかる祇園新橋よりさらに高いところを走行

入出庫点検場で”電車線”の謎に迫る

しばし車窓の風景を楽しみ、長楽寺駅で下車。アストラムラインを運営する「広島高速交通」本社を訪れた。

キーホルダーの正体を明らかにするため、広報・高岡里子さんに案内してもらう。

広島高速交通・高岡里子さん:
駅員が朝と夜に乗り降りする「入出庫点検場」へご案内します。普段は関係者しか入れませんが、そこから見ていただくと電車線がよく見えると思います

高岡さんと入出庫点検場へ向かう野川アナ。すると、地下へと続く階段が…

高岡さんについて地下へ下りる野川アナ
高岡さんについて地下へ下りる野川アナ

野川アナ:
何やら怪しげな雰囲気ですが、行ってみましょう

地下道を進み、階段を登った先には何が待っているのか?

野川アナ:
おお!こんなところに出るんですか?

駅員専用ホームの役割も果たす入出庫点検場
駅員専用ホームの役割も果たす入出庫点検場

広島高速交通・高岡里子さん:
朝は駅員がここから勤務する駅へ乗っていき、休憩のために帰ってきて降りたりします

野川アナ:
ここからの眺めは本当に素晴らしいですね。てっちゃん的な見どころは、あの勾配ですよ。一般的な鉄道は勾配にあまり強くないので、グーっと上がっていく勾配はなかなか見られません。安佐南区の地形には、アップダウンに強いアストラムラインが向いていますよね

野川アナの心をつかんだ勾配の眺め
野川アナの心をつかんだ勾配の眺め

運行に欠かせないレジェンド

さて本題に戻って、入出庫点検場からよく見えるという”電車線”がこちら!

軌道の側方にある2本の電車線
軌道の側方にある2本の電車線

野川アナ:
この電車線から、アストラムラインは動力として電気を取り入れて走っているんですね。実物の電車線を使って、キーホルダーが作られるというわけですか

アストラムラインの軌道の側方に電気を通す電車線があり、車両が走るために必要な電気を供給している。電車線はアストラムラインの生命線のようなもの。

走行中のアストラムラインを上から見た図
走行中のアストラムラインを上から見た図

”電気がよく通る”ことから”志望校に通る”とかけて、受験のお守りにピッタリだ。

「合格祈願 電車線キーホルダー」1200円
「合格祈願 電車線キーホルダー」1200円

さらに「野川アナに見せたいものがある」と高岡さんが案内してくれた場所には、役目を終えた電車線の山が…。

役目を終えた電車線…野川アナにとっては”宝の山”
役目を終えた電車線…野川アナにとっては”宝の山”

野川アナ:
私、鉄の塊を前にして大興奮しております!これを切ってキーホルダーにするんですね。重ねてみると…ピッタリおさまりました!

キーホルダーの形と電車線の断面がピッタリ
キーホルダーの形と電車線の断面がピッタリ

野川アナ:
アストラムラインの運行をこれまで支えてきた彼ら(電車線)がいなければ、アストラムラインは走れなかったわけですよ。すごくないですか?言うなれば、この電車線1本1本がレジェンドみたいな感じですよね

アストラムラインのレジェンドに目を輝かせる野川アナ
アストラムラインのレジェンドに目を輝かせる野川アナ

もっと知りたい!アストラムライン

電車線の正体がわかったところで、アストラムラインの内部に潜入。身近な乗り物でも知らないことがたくさんある。知ってるようで知らないアストラムラインについて、野川アナ目線で学んでみよう。

野川アナ:
ここから、おもしろいものが見られるんです!警笛が鳴って、ブラシが出てきましたよ。水が勢いよく噴き出してブラシが高速回転…車両の洗車です!

広島高速交通の本社で、タイミングが合えば、長い車両が洗車される様子を見ることができる。

ここで、野川アナの超難関・鉄道クイズ!電車線を見せてもらった入出庫点検場から出題。

野川アナ:
あの黒い装置、何だと思いますか?NとRの文字がヒントです

ヒント:N=ノーマル(定位)、R=リバース(反位)
ヒント:N=ノーマル(定位)、R=リバース(反位)

正解は…転轍機(てんてつき)と呼ばれる装置。アストラムラインの車両にはハンドルがない。この装置でレールを動かして、車両の行き先を変えているのだ。普段は電動式の装置が使われているが、停電などの緊急時は手で動かせるように手動式もある。ということで、野川アナが特別に体験させてもらった。

手動式の転轍機を回す野川アナ
手動式の転轍機を回す野川アナ

野川アナ:
レールが動いてる、動いてる!

手動式の転轍機は、緊急時に備えた訓練に使われている。

新旧車両の”顔”や設備に注目

次に見せてもらったのは車庫。アストラムラインは2020年に新しい車両を導入した。

高岡さんに車庫を案内してもらう野川アナ
高岡さんに車庫を案内してもらう野川アナ

野川アナ:
アストラムラインの最新鋭7000系です。アストラムラインは開業したころから主に6000系という車両が活躍をしてきましたが、まさに今、車両が移り変わっていく時期なんですね

新旧の車両が目の前に!鉄道ファンにはたまらない
新旧の車両が目の前に!鉄道ファンにはたまらない

野川アナ:
てっちゃんは車両の前面を”顔”っていうんですけど、7000系の顔がカッコいいですよ。最新のスマートフォンみたいな感じがしませんか?どこをタップすればいいんだろうみたいな

アストラムライン7000系の”顔”
アストラムライン7000系の”顔”

アストラムライン7000系の”顔”がスマホに見えるかどうかは別として…新旧の車両の違いを野川アナが解説。

野川アナ:
見比べると”顔”の違いをおわかりいただけると思います。アストラムラインのシンボルである「16ドット」、丸が4×4で並んでいるマークにも違いがあります。6000系は黄色の丸ですが、たしか7000系のシンボルマークは光るんですよね?

アストラムライン6000系のシンボルマーク
アストラムライン6000系のシンボルマーク

広島高速交通・高岡里子さん:
7000系のシンボルマークは赤く光ります。新旧の車両が同時に見られるのは、ここ何年かの限定です

広島高速交通・高岡里子さん(左)
広島高速交通・高岡里子さん(左)

広島高速交通・高岡里子さん:
アストラムラインの車両にはタイヤがあることをご存じない方も多いみたいですね

ゴムタイヤで走るため騒音や振動が少ない
ゴムタイヤで走るため騒音や振動が少ない

さらに、新旧の車両には走行中は見ることのできない驚きの違いがあった。

野川アナ:
まず6000系の先頭車両の足元を見てください。雪が降っても運行できるように、除雪ブラシがあります。その素材が6000系は竹のブラシなんです

野川アナ:
それが7000系に進化すると素材が変わりまして、樹脂系のブラシになっているんですよ。1994年の開業から30年近い歴史の中で、いろんな技術が進歩したことが車両の足元からもわかります

野川アナ:
竹ブラシを使っていたとは意外でした。雪が降る中でも安全に走行するための技術ですね

アストラムラインは広島でなじみのある光景
アストラムラインは広島でなじみのある光景

広島市民の生活を支えるアストラムライン。通勤・通学のほんのひと時、高架線から見える風景が人々の心を癒している。

(テレビ新広島)