消防署の仕事を多くの人に知ってもらおうと、秋田・五城目町の総職員数29人の小さな消防本部がSNSを活用し全国にファンを増やしている。キーワードは「映(ば)える」広報だ。

消防本部が「映える投稿」で情報発信

満開のサクラと消防車に…。

五城目町消防本部の公式インスタグラムより
五城目町消防本部の公式インスタグラムより
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実戦さながらの訓練。

五城目町消防本部の公式インスタグラムより
五城目町消防本部の公式インスタグラムより

そして、ふとした瞬間の笑顔。

五城目町消防本部の公式インスタグラムより
五城目町消防本部の公式インスタグラムより

消防士の日常風景を写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿しているのは、五城目町消防本部。2021年5月にアカウントを開設すると徐々に注目を浴び、2022年の夏ごろにはフォロワーが4000人を突破した。

写真の撮影や投稿を主に担当するのは中道聖也さん。

五城目町消防本部・中道聖也さん:
町民から「消防署では普段何をしているの」という声があった。普段の訓練や災害に対する取り組みなどを情報発信することで、消防の仕事をより深く知ってもらうことができるのではないかと思い、SNSを始めた

中道さんが心掛けるのは、ずばり「映(ば)える」投稿。訓練中の隊員の表情など、一般の人がなかなか見られない場面をカメラに収める。

五城目町消防本部の公式インスタグラムより
五城目町消防本部の公式インスタグラムより

こちらは、出動後に防火服に水をかける様子。
火事現場では、さまざまなモノが燃えることで発がん性物質が発生することがあるため、洗い流してリスクを最小限に抑える。

五城目町消防本部・中道聖也さん:
写真を撮るのが好きで、趣味のサーフィンの写真を撮っているときに、消防の写真も撮りたいと思った。隊員の自然な姿を撮れたらいいなと思う

「小さな町の消防本部」が全国から注目

写真に添える文章にも工夫が…。20代から30代の若手隊員が意見を出し合い、親しみやすい文章にしたり絵文字を使ったりと、親近感を抱いてもらえるように気を配る。また、アクセスの傾向を分析し、より多くの人の目に触れるよう戦略を練っている。

五城目町消防本部・中道聖也さん:
金曜日の夜や土日が閲覧数が多いので、仕事終わりの午後6時から7時、落ち着いた時間を目掛けて投稿している

投稿する時間帯にも工夫が
投稿する時間帯にも工夫が

業務の合間を縫って地道に投稿を続けたところ、県の内外にファンが増え、温かい応援のコメントが寄せられるようになった。さらに、消防や防災の専門誌で紹介されるなど、小さな町の消防本部の取り組みが全国的にも注目されている。

五城目町消防本部・中道聖也さん:
より消防署が身近に感じられるという声をもらっている。県外の人からも「素敵な消防署がある五城目町をいつか訪れてみたい」という声もある

インスタグラムのライブ配信機能を活用し、オンラインの消防署見学を企画するなど、新たな取り組みにも挑戦している五城目町消防本部。町民だけでなく、多くの人たちにとって、より身近で親しみのある存在になれるよう意気込む。

五城目町消防本部・中道聖也さん:
災害対応の担い手である消防機関が、町民にとって閉鎖的な存在ではなく、顔の見える存在になることで、五城目町が目指す安心・安全なまちづくりの一翼を担っていきたい

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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