待ちに待ったズワイガニ漁が11月6日、ついに解禁。冬の味覚が次々と水揚げされた。漁師たちが狙うのは、最高級ブランド「輝(かがやき)」。去年の初物についた価格はなんとギネス世界記録に並ぶ“500万円”。今年はメスのコウバコガニにも新ブランドが誕生した!
この記事の画像(39枚)去年は500万円!今年は?
去年500万円の輝が揚がった、珠洲市蛸島漁港。
すず底曳網漁船団 長栄丸 森下秀和さん:
緊張と期待が入り混じった、複雑な気持ちです
記者:
輝はとれますかね
すず底曳網漁船団 長栄丸 森下秀和さん:
神様に祈って、頑張って入るように期待しています!
港の人:
いってらっしゃーい!頑張ってね!
11月6日午前0時 ついに漁が解禁
11月6日午前0時の解禁に向け、続々と船が沖へと向かった。
6日午後1時過ぎ…船が港に戻ってきたが
記者:
輝には会えましたか?
すず底曳網漁船団 長栄丸 森下秀和さん:
わたしは会えませんでした。例年より少ないような気がします。
去年、あの500万円の輝を水揚げしたあの人は…
記者:
今年どうでした?
去年輝をとった田喜知潔さん:
(今年は)ダメやった
それでも、中には…
別の漁師:
あっでかい!
漁港の人:
来たなこれ!大きさ、重さは十分!
2年連続の輝に期待が膨らみます。
今年はメスも「輝姫」としてブランド化
午後4時半、金沢港では、今年誕生したコウバコガニの輝版、「輝姫」の審査が行われていた。
輝姫を水揚げした八幡丸 小川伸広船長:
見た感じ「おっ」と思うような大きさでしたね。いくらつくのか楽しみ!
審査する漁港の人:
(甲羅の幅を測って…)大丈夫や!
漁師は:
ほやろ
いよいよ「輝」の審査へ…果たして今年は?
出口日菜穂:
午後5時半です。市場には続々と大きなカニが集まってきています。果たして初競りで輝を見ることはできるのでしょうか?
去年の初競り:
500万円!
去年の初競りで、500万円の輝を競り落とした百楽荘。今年も輝を落とそうと料理長が会場に訪れていた。
百楽荘 島田大輔料理長:
輝を全国の皆さんに知ってもらうためにも、うちで落としてアピールしていきたい。絶対落としますよ、いくらであっても。落としましょう。
審査担当の人:
(重さを測って)1.68キロ。
輝候補を持って来た人:
おっ、1.68キロ!輝なるか…?
大勢の人が見守る中、輝の審査が行われ…
審査担当の人:
いやーもったいないなー
記者:
何がもったいない?
審査担当の人:
傷!カニ自体はいいんですけどね
記者:
傷だけでダメなんですか?
審査担当の人:
はい、そういうルールですから。
残念ながら今年、金沢港で輝の姿を見ることはできなかった。
百楽荘 島田大輔料理長:
残念でしたね、本当に…。本当に意気込んできたので。今回チームを作って絶対落とすぞという意気込みで来たんですけど…。次回に期待ということですね。
「輝」は別の会場に!
今年、輝が揚がったのは、もう一つの会場。加賀の橋立港だった!
競りの様子:
100万円!
輝を水揚げした漁師は:
輝になったときは、びっくりしました。ダメかなと思っていたので、嬉しいです。
「輝姫」は史上最高額の…
そして輝姫(かがやきひめ)も…
競りの様子:
30万!
メスのコウバコガニになんと30万円。メスのズワイガニの値段としては史上最高額だ。
輝姫を水揚げした漁師:
値段をきいてびっくりですね。香箱が30万やよ!びっくり、本当にびっくり!
輝と輝姫を競り落とした新保商店 福島公一さん:
特に今年はダブルネームなので、すごく価値があるかなと。輝姫というブランドを作った初めての年なのでこれくらいは…誰にも落とされるわけにはいかなかった。
初物を求め市場にも人・人・人…
秋末械人アナウンサー:
近江町市場には初物を求める多くの人が訪れています。この熱気が北陸の冬の訪れを感じさせます。
近江町市場の店員:
カニ解禁!カニ解禁!
金沢市民の台所、近江町市場。この日を待ちわびた大勢の買い物客が次々とカニを求めていた。
客は…:
カニは恒例やからこの時期になったら必ず買いにくるよ。
秋末アナ:
どれぐらい買ったんですか?
客は…:
6杯買いました。
秋末アナ:
なんで6杯?
客は…:
家族6人だから。1杯ずつ食べるのに。
秋末アナ:
どんな風に食べますか?
客は…:
塩ゆでして、そのまんまです。一番おいしい食べ方です。
こちらの人は大きなズワイガニ(加能ガニ)を購入。
客は…:
きょうはオスの加能ガニを買うって決めていたんですか?はい、きょう買うって決めていました。
秋末アナ:
実際ご覧になっていかがですか?
客は…:
大きくて立派です。楽しみですわ。食べるのが。
気になる初物の価格はオスの加能ガニが安いもので1500円から大きいもので2万5000円ほど。メスのコウバコは500円ほどから購入できて、高いものでも2000円と、例年よりも2割ほど安くなったと言う。
大口水産 荒木優専務:
今年は出漁の前後がすごく天気が良く、漁師も準備もしっかりできた。量も安定して入ってきた。
漁の期間はコウバコガニが12月29日まで。加能ガニが来年3月20日まで続く。そこで、プロに聞いたのは、カニを買うのにお得な時期。
今年のカニはいつ買えばお得?
秋末アナ:
狙いとしては早めに狙ったほうが?
大口水産 荒木優専務:
できればこの1週間ぐらいで買ったほうが、安くておいしいのが食べられるんじゃないかと思います
年末にかけては宴会やお歳暮など需要が高まる時期。冬場はしけが続いてカニが入らない時期もあることから今年は早めに買うのがお得なようだ。
稲垣真一アナ:
今年は記録更新となりませんでしたね!改めて輝と輝姫について教えて下さい。
秋末アナ:
去年から石川県内の港で水揚げされたズワイガニのオス、加能ガニのうち条件を満たした最上級のものを「輝」としてブランド化しています。その条件がこちらです。重さが1.5キロ以上、甲羅の幅が14.5センチ以上、そしてすべての脚がそろっているといった見た目も条件になっています。
稲垣アナ:
爪の裏に傷があったことで認定されないんですね。
秋末アナ:
本当に厳しい基準で、去年もおよそ5カ月の漁の期間中に9匹しか揚がりませんでした。
秋末アナ:
そして今年はメスのコウバコガニも最上級ものを「輝姫」としてブランド化しました。こちらは甲羅の幅が9.5センチ以上、そして輝と同じく甲羅や脚に傷などがなくまた色が美しいことなどが条件となっています。こちらは昨日のセリで20匹が認定されました。
秋末アナ:
実は、近江町市場の店頭にもこの輝姫が並んでいました。「輝姫」であることを認定する九谷焼のタグがまさに輝いていましたね。こちらの輝姫は35000円。さすがの価格です。
稲垣アナ:
コウバコガニとは思えない値段ですね!
輝と輝姫、今年はどれだけの数がその厳しい基準をクリアするのか注目だ。
(石川テレビ)