老後の生活を支える年金。厚生労働省は10月25日、社会保障審議会で年金制度改革の議論を開始した。今回検討が進められているのが、保険料を納める期間の延長だ。

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今、まさに保険料を支払っている現役世代からは、心配する声があがっている。

ファッション関係(30代):
もらえないかなって、ぶっちゃけ思っているところもあって。諦めの境地。

デザイナー(30代):
受給額はどんどん下がってますよね、今。正直、個人年金とかも入ってて、なんとか将来に備えようかなとか思っているので…。

看護師(20代):
払いたくはないなって感じです。

マーケティング関連(40代):
えー!信じられない!払うだけ損…損っていうか。物価も上がっているし、また取られるのって感じですね。

少子高齢化で財源減少…20代「見えない将来の不安」

保険料の納付期間は現在、20歳から59歳までの40年間。この納付期間を5年延長し、20歳から64歳までの45年間にする案が検討されている。

国民年金の保険料は、月額1万6590円(今年度)。延長される5年間で納める総額は99万5400円となり、約100万円の負担増となる。

この5年延長案に、現役で働く世代からは悲鳴と不安の声が聞かれた。

アパレル販売(20代):
100万円は大きいです。100万円あったら旅行したい。年金もらえる額は増やしてくれると嬉しいです。

調理師(30代):
100万円は簡単に稼げる金額ではないので…(もらえる額は)減るんじゃないかな。やっぱり少子高齢化と言われてる中で…。

接客業(30代):
自分がもらえるか分からないという、その不安もあるのに、また5年払い続けるってなると、その不安が上乗せになるかなって…。

カフェアルバイト(20代):
見えない将来の不安って感じです。60歳になってからの5年、ちょっと想像できないです。


一方で納付期間の延長は予測していたとの声も。

専業主婦(40代):
そうなるだろうなと思っていました。むしろそうならないと、財政破綻って変ですけど、日本がやばくなるんじゃないかなと。嫌だけど仕方がないですよね。

納付期間の延長が検討される背景にあるのが、少子高齢化。

働く世代が少なくなり、保険料を納付する人数が減ると、年金を支払うための財源は少なくなる。その一方で年金をもらう高齢者は増えるため、財源の確保が難しい状況になっていくことが予想されている。

支給額は年間3108円減 求められる丁寧な説明

今年度の年金の支給額は、昨年度に比べて0.4%減額された。国民年金の支給額はひと月あたり259円減り、月額6万4816円。昨年度に比べて、年間で3108円の減額となった。


建設業事務(30代):
もらう金額とかも上がらなきゃおかしいんじゃない?という感じがしますね。何歳まで働けばいいんだ?みたいな。

マーケティング関連(40代):
なかなかリタイアもできないし…。私の母のような、悠々自適に旅行行ってとか、友達とおしゃれランチしてなんて考えてたけど、全然無理だなって思いました。

居酒屋アルバイト(20代):
今は物価も高いし、さらに年金納付も延びると生活できなくなっちゃいますよね。

金融業(50代):
少子高齢化で仕方ないところなのかな、という気持ちもあるけど、でもやっぱり自分たちの納付額が増えるのはちょっと困るなと思います。

変わっていく年金制度の行方に、大きな注目が集まる。

榎並大二郎アナウンサー:
思い起こされるのは老後2000万円問題。あの時も混乱しましたが、将来設計に不安を抱える人は本当に多いと思います。自分はいくらもらえるんだろう、今からどんな準備をすればいいのか。制度の見直しに際して、そうした不安を払拭する丁寧な説明が求められます。

(「イット!」10月25日放送)