10月24日も円が一時急上昇し、覆面介入が実施されたとの見方が広がる中、先週の介入が過去最大の5.5兆円規模だった可能性が出てきた。

「投機筋と厳しく対峙」

24日の外国為替市場の円相場は、午前8時半過ぎに149円台から145円台半ばまで一気に4円ほど上昇した。
市場関係者の間では、「当局の動き以外は考えられない」との見方が強まり、先週末の21日夜に続き、覆面介入が行われたとの観測が広がっている。
これについて鈴木財務相は、「市場を通じて投機筋と厳しく対峙している」と話した。

一方、21日に実施された覆面介入では、円相場が一気に5円以上円高に進んだが、日銀が24日に発表した当座預金残高の見通しから、円買い介入としては過去最大の5.5兆円規模だった可能性があることがわかった。

米国の政策転換までの「時間稼ぎ」

三田友梨佳キャスター:
市場の分析や企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに聞きます。一時、大きく円が買われ、ドルが売られました。政府・日銀は為替介入したとも、しないとも言いませんが馬渕さんはどうご覧になりますか?

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
このまま、するすると円安が進むことは避けたいのだと思います。ただ、その効果は極めて限定的だと言えます。それでも、いま分かっていることは2つあります。
まず、東京時間だけでなく、深夜・早朝などいつでも介入していくこと。
もう1つは、バイデン大統領がドル高容認発言をしている中でも、円高ドル安に誘導する介入が可能だということです。
アメリカとのコミュニケーションもうまくいっているのだと思います。

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三田キャスター:
為替介入してもすぐに円安に戻ってしまうのに、介入を繰り返す背景に何があるのでしょうか?

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
介入を繰り返す目的は「時間稼ぎ」です。
何を待っているかと言うと、アメリカのインフレが落ち着く時期、その結果、アメリカが金融引き締めを転換させる時期を待っているのです。
とは言え、アメリカが利下げに転じるのは2024年に入ってからだとの見通しもありますので、時間稼ぎにも限界がありそうです。
ただし、今アメリカは決算のピークですが、ドル高が企業業績を圧迫し始めていますので、いずれ、行き過ぎたドル高政策を転換する時期がくるかと思われます。

三田キャスター:
将来はともかく当面は円安の傾向が続くということですが、懸念される企業経営への影響についてはいかがですか? 

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
まず円安によって、エネルギーや食料などの輸入物価がさらに上昇する懸念があります。 
さらに、企業が事業計画を立てる際に想定為替レートを設定しますが、予想外の円安の加速により企業は今、その修正に追われています。
日銀によると本年度の想定為替レートは、全規模全産業で1ドル=125円71銭でした。つまり、足元の150円前後の円安とは20円以上乖離があります。
業績の振れ幅が大きくなると製造や販売はもちろん、設備投資や賃上げの計画など様々な影響が懸念されます。 

三田キャスター:
ここからは時間稼ぎということですが、回数を重ねていけば消耗戦になりかねないように思います。今後の動向が注目されます。

(「Live News α」10月24日放送分)

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