映画の題材にもなっている「警察音楽隊」。警察音楽隊員として活躍する女性警察官に密着すると、もう一つの顔が見えてきた。

犯罪・事故防止を呼びかける「警察音楽隊」に密着

2022年夏に公開された映画「異動辞令は音楽隊」。主人公である刑事が、警察活動の広報を行う音楽隊へ異動するというストーリーが展開される映画だが、実は新潟県内でも音楽隊は活動している。

10月5日、新潟市江南区で開かれた交通安全を呼びかけるイベントで演奏を披露していたのは、2022年で創設70周年を迎える県警音楽隊。

新潟県警音楽隊
新潟県警音楽隊
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25人が所属するこの音楽隊の中で、トロンボーンを担当しているのが大竹裕子さんだ。

大竹裕子 巡査部長:
演奏を聴いて「楽しかった」だけではなく、「事故が起こっているから、こういうことに気を付けよう」とか「詐欺が流行っているから、こうしなきゃ」とか、そういうような気持ちを持っていただければうれしい

県警音楽隊の役割は演奏を聴かせるだけでなく、音楽を通じて犯罪や事故などの防止を呼びかけること。そのメッセージを届けるため、練習にも熱が入る。

音楽隊の全体練習
音楽隊の全体練習

この日、警察学校の体育館で行われていたのは、県警音楽隊の全体練習。

大竹裕子 巡査部長:
音符も動きも覚えなければいけないので、なかなか大変だなと思う

動きながら楽器を演奏するマーチングも県警音楽隊の魅力の一つ。息の合った演奏を披露するため、練習を繰り返す。

大竹裕子 巡査部長:
ここで週1回、和気あいあいと色んなことを話したり、楽しみながら、音楽も一緒に頑張って練習している

音楽隊と鉄道警察隊を兼務…2つの業務には共通点も

実は、音楽隊として勤務できるのは週に一度だけで、全ての隊員が他の業務を兼務。もちろん大竹さんにも、もう一つの顔がある。

兼務していたのは、駅や列車などの鉄道施設内で利用者の安全と安心を確保するための業務を行う鉄道警察隊。道案内をすることもあれば、緊急時に備え、不審者対応の訓練をすることも。さらに…

不審者への対応訓練
不審者への対応訓練

大竹裕子 巡査部長:
特殊詐欺防止のマスクを配っているんですけど、家族を名乗って電話をかけてくる詐欺がまだまだあるので

音楽隊で大切にしている「犯罪を防止するための広報」も欠かさない。

特殊詐欺被害の防止を呼びかける大竹さん
特殊詐欺被害の防止を呼びかける大竹さん

大竹裕子 巡査部長:
音楽隊の業務・鉄道警察隊の業務に共通しているのは、犯罪や交通事故を未然に防止するための広報がしやすいところ

県警音楽隊と鉄道警察隊で活躍する大竹さん。業務の合間を縫って食べる、お昼ご飯の時間には…

大竹裕子 巡査部長:
お弁当箱は子どものおさがり。子どもは今、小学2年生と5年生の男の子

二児の母親で、子育てに奮闘している一面ものぞかせていた。

大竹裕子 巡査部長:
2種類仕事があるので、計画的にこなせる部分では計画的に業務をこなすように心掛けている

「人と人をつなぐ音楽」で県民の命・安全を守る

2つの異なる業務と並行しながら、子育てまで。一見、大変そうにも見えるが、音楽系の大学に進学していた大竹さんにとっては、好きな音楽を仕事にできるうれしさもあった。

大竹裕子 巡査部長:
音楽隊に入ることになって、音楽ができて、やりたかった警察官の仕事もできるというのは非常にありがたいことだなというふうに思っている

誰もが親しみやすい音楽を通して、県民にメッセージを届ける。県民の命と安全を守るための活動は続く。

大竹裕子 巡査部長:
音楽は人と人をつなぐものだと思うので、私も演奏を通して、警察と県民の皆さんとをつないでいくような、そんな仕事ができればと思っている

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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