2022年11月から北海道札幌市内の幼稚園や認定こども園で入園受付けが始まった。

静岡県で3歳の女の子が通園バスに置き去りにされ熱中症で亡くなった事件を受け、安全対策を重視する保護者が増えている。入園受付を前に、園選びが山場を迎えていた。

2022年9月、静岡県の認定こども園で3歳の女の子が通園バスに置き去りにされ、熱中症で亡くなる事件があった。

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保護者の安全対策への関心が高まっている。

来年子どもが入園する保護者:
年が近かったので見ていて悲しかった。園を選ぶ基準にもなった

来年子どもが入園する保護者:
家から近い方がいいのかな。通園バスにするか徒歩にするか、そこで悩んでいる

安全対策に注目し、失敗しない園選びをするためにはどうしたらいいのだろうか。

幼稚園選びに変化が…「安心できるか」が選択の基準に

子どもが通う幼稚園などを選ぶ際、施設を見学したり、体験入園したりするケースが増えている。

園の選び方について相談会などを行っている子育てサロンによると、その際の判断基準に変化がみられるという。

子育て応援 かざぐるま・山田智子代表:
今まではどちらかというと、子どもが楽しめるかという視点。安全面での配慮がどうなっているかも選ぶ視点の一つに

見学会や体験会で10か所を回り、判断材料にしたという保護者は。

園選びを終えた・佐々木ノリさん:
先生の様子が見られたのはすごく良かった。安心させてくれる言葉があった幼稚園は、印象が良かった

入園前に"半年"も通園 「子どもがどう遊ぶか想像してもらう」

札幌市中央区の認定こども園「札幌大谷幼稚園」では、入園前に2歳児と保護者が半年間通園して、気になる点を確認することができる。

札幌大谷幼稚園・前田明恵教頭:
実際に子どもたちが遊んでいるもので、親子で遊ぶことができる。子どもたちが使う遊具などを実際に使うことができるので、どんなことをして入園してから遊ぶのか想像ができる

遊び場や遊具に危険はないか、安全面でどんな配慮がされているかを確かめることができる。

札幌大谷幼稚園・前田明恵教頭:
泣いている子や困っている子にどのように対応しているのか。どのように遊んだり、生活するのか想像でき、安心して入園することができるのではないか

"いい幼稚園"は…「たくさんの目で子どもたちを見る」

静岡県の置き去り事件の記憶が新しい通園バスについても、実際に乗車して確認することができる。

札幌大谷幼稚園・前田明恵教頭:
降りるとき、階段が高いので必ず保育者が手を添えて転ばないよう気をつけて降ろす。乗るときも同じように、手を添えることを大事にしている

子どもたちがバスから降りた後の確認作業についても、確かめることができる。

安全への関心が高まる中での園選び。保育環境の専門家は、職員と子どもの人数の割合に注目する。

札幌大谷大学短期大学部・藪淳一講師:
配置基準が定められていて、保育園の保育士の場合は3歳児20人に対して1人。4歳児と5歳児は30人に対して1人。一つの目安としてその半分くらいが望ましい。たくさんの目で子どもたちを見ることを確認するのが、いい園を選ぶことにつながる

子どもたちの安全と安心への関心が、いま高まっている。

(uhb北海道文化放送)

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