10月12日午後3時前、兵庫・明石市議会に姿を見せた、泉房穂市長。周囲を見渡すと軽く会釈をして席に着いた。その表情はどこか緊張しているようにも見える。

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自民・榎本和夫議長:
泉房穂市長に対する問責決議のことを上程議題に表します。

市議会本会議に提出されたのは、泉市長に対する問責決議案だ。自民党や公明党会派の市議らが「市長には自身と相反する考えは排除する姿勢がみられる」などとして提出した。

自民・千住啓介議員:
市長、本当にいいかげんにしていただきたく思います。何度同じことを繰り返すんでしょうか。今回の市長の脅迫事件は、恐怖をもって支配するそのものであります。

市長「次の選挙で落としてやる」議長「全く今までの失敗に学んでいない」

今回の問責決議案が提出される前の10月8日、泉市長は式典に同席した自民・榎本和夫議長と公明・飯田伸子議員に対し、次のような暴言を吐いていた。

泉市長の発言:
問責に賛成するなら覚えておけ。次の選挙で落としてやる。

この時、泉市長はかなり興奮した様子だったと榎本議長は話す。

自民・榎本和夫議長:
議員から提出されてきた問責決議案を、提出を(議長は)受け取った側の人間で、それを「議会に諮りましょう」ということですので。私に(問責決議案を)出す・出さないの権限はありませんので。(泉市長は)そのあたりもわからないほど、やはりエキサイトされていたのかなという気がしますね。全く今までの失敗に学んでいないんだなというのを思いますね。

泉市長はその日のうちに「すみません」などと、電話で2人に謝罪したという。

問題発言はあれど…市民に寄り添う政治には評価の声も

これまでもさまざまな発言が問題となってきた、泉市長。3年前には市の幹部への暴言が発覚した。

泉市長の音声(2017年6月):
立ち退きさせてこい!お前らで、きょう火つけてこい!きょう火つけて捕まってこいお前!燃やしてしまえ!ふざけんな!

これをきっかけに市長を辞職し、出直し選挙で再当選。これまで子どもの医療費(18歳まで)や保育料(第2子以降)を無料化するなど、市民に寄り添う政治を行ってきた。

そうした中で繰り返された市長の暴言。市民の反応はさまざまだ。

明石市民:
残念。政策は小さな子どもがいるような世帯にはすごい支持もあって。本質はそういう方なのかな。

明石市民:
そうか、また言っちゃったって感じですね。でも私は嫌いじゃないので。

任期満了での政治家引退を表明

問責決議は賛成多数で可決された。

泉市長:
今回の暴言の責任をしっかり取りたいという思いから、政治家を引退したいと考えております。

泉市長は任期満了で政治家を引退すると表明した。

(「イット!」10月12日放送)