回収されたペットボトルがどこに向かうのかを追跡するアプリが登場した。

再生加工状況をアプリで確認

ファミリーマートは9月26日、旭化成や伊藤忠商事などと共同で、回収したペットボトルのリサイクル状況を消費者がスマホアプリで確認できるサービスの実証実験を開始した。

店頭に設置された専用の回収箱に使用済みペットボトルを投入。その際に、回収箱に記載されたQRコードをスマホで読み取り、投入したペットボトルの本数をアプリ上で登録する。

すると、投入した日時ごとに回収されたボトルの輸送状況や工場での再生加工状況がアプリ上で確認が可能になる。

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リサイクル過程やどれだけCO2が削減できたかを見える化することによって、消費者の行動変容などを検証する。

また、ペットボトルを投入した日数に応じてキャラクターが成長するため、その変化も楽しむことができる。

ファミリーマート環境推進グループ・原田公雄マネジャー:
この取り組みで、消費者の方が今、自分の捨てたものがどこに行って、どういう状態になっているのかを見ることができる。ペットボトルの質がよりきれいになり、より量が集まる。そういったことが起きてくれば、消費者の方々の意識の高まり、行動の変化につながっていくということを検証できる

"ボトル TO ボトル"2030年に50%目標

Live News αではマーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
今回の試みを取材されたということですが、いかがでしたか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
普段コンビニでペットボトルを分別して捨てると、それがリサイクルされていることは分かっていても実感は無く、実際にはどんな工程でリサイクルされているかは当然分かりません。今回の実験店ではアプリを活用することにより、追跡可能で可視化されるトレーサビリティーの対応となっていて、プラスチックの循環をすすめるエコ活動に参画している意識が高まり、積極的な活用と理解の促進が並行してできることが素晴らしいと思います

三田友梨佳キャスター:
これをきっかけに循環の輪がより大きく回り出すといいですよね?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
かつてペットボトルの飲み物といえば、家庭用の1.5リットルなどの大きなものがメインでしたが、それがリサイクルが進んだことを受け1996年に飲料メーカーの自粛が解除され、350ミリリットルや500ミリリットルなどの飲みきりサイズのペットボトル飲料が相次いで発売され、それから四半世紀たち、日本人にとって無くてはならないものになりました。ペットボトルの回収率を世界で比較すると、アメリカが2割、ヨーロッパは4割ほどの回収率にとどまっているのに対して、日本の場合は88.5%と9割近く回収しています (※PETボトルリサイクル推進協議会)

三田キャスター:
世界と比べて日本は高い回収率を誇るということですが、回収されたペットボトルは様々なものにリサイクルされているようですね?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
分別回収されたペットボトルは、細かく砕かれ、洗剤のボトルや卵のプラスチックパックなどにリサイクルされ、再びカタチを変えて消費者のもとに戻っています。こうした中、飲料メーカーの業界団体は 「ボトル TO ボトル」というペットボトルを回収後、再びペットボトルとして活用する割合を現在の12.5%から2030年には50%に引き上げる目標を掲げています。同じ材料から何度も資源循環させる 「ボトル TO ボトル」は、リサイクルのカタチとしては理想で、CO2の削減効果も大きいとされています。石油由来のペットボトルをイチからつくるよりも遙かに地球に優しい取り組みとなります。今後は飲料メーカーやコンビニなどの流通企業が協力の連携を強めるだけではなく、私たち消費者もペットボトルを捨てるのではなく、資源の循環に参加するという意識改革が必要です。分ければ資源、混ぜればゴミという行動変容が徹底されることを期待したいです

三田友梨佳キャスター:
企業の努力と消費者の意識改革、その両輪が回り出すことで社会も大きく変わるのだと思います。 私たちもひとり一人がラベルを外すこと、しっかりと分別すること、意識していきたいと思います

(「Live News α」9月26日放送分)