食べ物が消費されないまま、大量に廃棄される「フードロス」。
世界的にも大きな問題となっているフードロスの削減を、後押ししてくれる便利なアプリが登場。北海道でも、フードロス削減の動きがはじまっている。

避けられない「フードロス」…"アプリ"で有効活用

イクラやサーモンをたっぷりとのせた海鮮丼。色鮮やかなサラダに、北海道らしくジンギスカンまで。
札幌市内のホテルの朝食ビュッフェだ。

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札幌市中央区のこのホテルでは、朝6時半の開店からお客さんが詰めかけ、大皿が空になるたび、すぐに料理が補充されていく。
でも、どうしても出てしまうのが…

ホテルグレイスリー札幌 鈴木 雅明さん:
ビュッフェという事柄上、フルラインナップで料理を用意しますが、そのなかでフードロスが避けられない

このホテルでは1日で4キロほど、客に食べられなかった料理が出てくるというのだ。
そこで利用しているアプリがある。

ホテルグレイスリー札幌 鈴木 雅明さん:
TABETEというアプリを採用している。お客様に来ていただいて、ビュッフェをレスキューというかたち

こちらがそのアプリ、TABETE。

パンやお菓子の店を中心に、全国で利用されている。全国で2千店ほどが登録。
品物を店が登録すると、アプリが客に通知する仕組みだ。
客は格安で品物を手に入れられるうえ、店はフードロスを防ぐことができるのだ。

"大人気"で争奪戦も…余った「ブュッフェ」がお弁当に

このホテルでは、余った料理の中からお弁当にできるものをチョイスして、紙の容器に詰め直しているのだ。
これが、この日のホテルビュッフェの日替わり弁当、450円だ。

アプリの利用者:
学生の頃に飲食店でアルバイトをしていたが、捨てる物が凄く多いのがずっと頭の片隅にあった。大人にもなったので、協力できる場面があるなら協力したい

ホテルビュッフェの日替わり弁当。思わぬ人気ぶりで、予約は"争奪戦"だ。

ホテルグレイスリー札幌 鈴木 雅明さん:
ひとつのお弁当で、700グラムくらいのフードロス軽減になります。1カ月で30~40キロの軽減になっているのは事実です

"捨てられる肉"がおかずに…「子ども食堂」では笑顔の"源"に

お店やホテルばかりではない。意外な場所でフードロス削減が役に立っていた。
札幌市北区で月1回開かれる「子ども食堂」だ。

子どもは1人100円。大人は1人500円でお弁当を販売している。

お弁当の食材は、ほとんどが寄付金で賄われているが、このから揚げにはちょっとした秘密があるのだ。

麻生キッチンりあん 西本 香奈江 理事長:
から揚げ屋さんが、"端肉"をまとめて揚げに作り直してくれて、メニューの一品に

このから揚げは、惣菜店で分量調整の為に出る鶏肉の切れ端を集めて、衣を付けて揚げたものだ。
さらにお弁当ばかりではない。

ボランティアスタッフ:
うわ~!楽しそうな、おやつがいっぱい!

ボランティアの人たちが、袋にパンパンになるまで詰め込んでいるのは、お菓子やジュースだ。

麻生キッチンりあん 西本 香奈江 理事長:
おやつや冷凍食品を頂いたりしているので、袋詰めしてお弁当を取りに来てくれた人にお渡ししています。水や五目ごはんなどは、近所の銀行が災害用の備蓄食材を買い替えるタイミングで提供して下さった

袋の中の品物は、その多くが企業やお寺から寄付されたものなのだ。札幌でお菓子やカタログギフトの店を経営する山田さんも、支援者の一人だ。
お中元やお歳暮などの季節の品物は売れ残ることも多く、NPO法人を通じてお菓子などを子ども食堂に提供してる。

オホーツクシーライン 山田繁 社長:
ボランティアをしているお寺が近くにあるので、そこにお届けをしている。おそらく全国のお子様の所に届けられていると思う。見てみたいですね!子どもが喜ぶ顔を

フードロス削減で、温かな気持ちが全国に広がっているのだ。

(uhb北海道文化放送)

北海道文化放送
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