秋篠宮さま会見前半【全文① 眞子さまご結婚 “多くの人が納得できる状況にならないと納采の儀は行えない”・・・秋篠宮さま53歳の誕生日】はここから

ーー佳子さまの最近のご様子や大学卒業後のご活動、ご結婚についてどのようにお考えか。
悠仁さまは今年広島を訪問するなど戦争の歴史と向き合う機会を多く持たれたが、成長をどのように感じていらっしゃるか。
今後の成長に寄せる期待と中学校の進学先についてのお考えもあわせてお聞かせいただきたい。

 
 
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秋篠宮さま:
最初に次女のことですけれども、今大学の4年生になりまして、現在は卒業論文の作成に忙しくしているところのようです。
私は細かいことは知りませんけれども、夜遅くまでそれについての作業をしている様子がうかがえます。それから・・・(紀子さまをご覧になる)。

紀子さま:
ふり返りますと、次女の佳子は、今年の6月に英国から元気に帰国しました。約9か月だったと思います。
英国の滞在生活では大学で幅広い分野の講義を受けたり、また休みのときには海外、英国も海外ですが、近くの行きたいと思っていた国、スペインやポルトガルへ友人と一緒に旅行したり、様々な経験をしました。
それを通して、次女は自分の視野を広げたり、また、自分の考えを深めたりする貴重な機会となったと思います。

この数か月をふり返りますと、次女も幾つかの公的な行事に携わりました。
9月には国際情報オリンビックの開会式、その後に手話パフォーマンス甲子園の行事に出席し、そして今月は中学生たちが自分たちの経験を語る少年の主張の発表を聴きました。
大学を卒業してからは、宮中行事に出席することも多くなると思います。
これからも、公的な仕事を心を込めて大切に果たしていけるように願っております。
 

手話で挨拶される佳子さま(10月)
手話で挨拶される佳子さま(10月)

秋篠宮さま:
少しダブってしまいますけれども、大学卒業後はですね、次女にもいろいろな公的な仕事の依頼が来ることが予想されます。
長女がそうしているように、次女にも一つ一つ大切に思いながらそれらに取り組んでいってほしいと思います。

もう一つ、これは既にそういうことがあるのかもしれませんし、私は知りませんけれども。
大学卒業後に大学院への進学の希望を持っているかどうかも私は存じませんけれども、公的私的は別にしてですね、何かこう、ライフワークになるようなもの、それを持ってもらいたいなと思っています。

結婚についてですが、親の勝手な希望としては、それほど遅くなくしてくれたらいいとは思いますが、こればかりは、やはり御縁の関係もありますので、別に私からせかしたりすることもしません。
いずれ本人から何か言ってくるかもしれません。そのような状況です。

紀子さま:
結婚についてですが、これから先、もし次女がそのような話がありましたら、次女の考えやその先の将来のことについての考えを聞いて、私も必要なところ、大事だと思うことがあれば、お互いの話合いの中で、気持ちや考えを伝えていきたいと思います。

ーー(悠仁さまについて)広島を訪問されたり、戦争の歴史と向き合っていかれたりとか、いろいろあったが、成長をどのように感じていらっしゃるか、また、今後の成長に寄せる期待と中学校の進学先について。

秋篠宮さま:
(紀子さまをご覧になって)今年、学校であれですか。戦争のことについて。

紀子さま:
夏休みの社会の宿題で、歴史について調べたときだと思います。

秋篠宮さま:
それで、今まで長男は沖縄、長崎、小笠原に行っていますけれども、広島には今まで行ったことがなかったんですね。
そういう何かまとめるにあたって、本人自身が是非広島に行きたいという希望を持って、それで、家内と一緒に行ったわけですね。
そのように、かなり自主的に動くということをするようになってきたと思いますし、自分の意見もはっきり言うようになったなという印象は私にもあります。

一方、自分の主張だけをどんどんするのではなくて、人の話にもきちんとを傾けるようになってきたなと思います。
その延長線上にあるのかもしれませんが、人のことを思いやる気持ちというのは、以前よりも増してきたなと思います。
私が非常におおざっぱではありますけれども、感じる成長というのはそのようなところですね。

 
 

紀子さま:
先ほど宮様がお話をされていましたように、学習に対しての取り組みがとても熱心だと感じています。
小学校の6年生でも夏休みの宿題・課題が多く出され、それは7月に入ってからでしょうか、(長男は)この課題をどのように進めていこうかと、自分で考え、広島はいつか機会があったときに家族で訪れることを考えておりましたが、今年の夏ということは特に予定しておりませんでしたが、長男が、できれば(この夏に)広島を訪れて、資料館や関係者から話を聞いてみたいとのことだったので、参りました。

他にも理科の課題も出まして、火山、地震、防災がテーマだったのですが、それに関わる幾つかの場所にも出かけました。
自分の夏休みの過ごし方を、長男が自分で早めにいろいろと計画を立てて見通しを持って行動する、そのようなことができるようになったと、感じました。

成長というのかどうか分かりませんが、すてきだなと感じていること、以前よりも変わったこととして、学校で帰りの時間ですが、授業が終わった後の下校するまでの間の時間を使って、子どもたちと先生方がお互いのいいところに気づいて言葉にする、これは「いいとこ見つけ」というのでしょうか、をしています。

そういうこともあるからでしょうか、家でも私たちのいいところに気づいて教えてくれたり、ちょっと困ったり、どうしようかなと考えているときには言葉をかけたり、助けたりしてくれることがあります。

秋篠宮さま:
さっきの人を思いやるところともつながるかもしれないですね。

紀子さま:
(秋篠宮さまにうなずかれて)大事なときに言葉にすること、思うことも大事ですが、言葉にして相手に伝えることの大切さを私たちが学んでいるような気もいたします。
後もう一つお話をしますと、長男は学校の家庭科の授業でお弁当実習を始め・・・

秋篠宮さま:
調理実習じゃない?

紀子さま:
(秋篠宮さまを振り向かれて)調理実習かしら。
(悠仁さまが)お弁当を友達と一緒に作る機会がありました。
授業で学んだ料理や他にもいろいろな料理を作ってくれることが多くなりました。
私たちも素直に、「とってもおいしい」、「これはどうやって作ったのかしら」と話しますと、長男は本当にうれしそうに、この食材とこの調味料を使って作ったんだよと・・・。

秋篠宮さま:
あと自家製の野菜も。

紀子さま:
野菜作りしていますので、そうした野菜を取り入れたり。
私たちがリクエストをすると,それにけなげに応えてくれます。
いくつかお話をしましたが、学習の面、生活の面で様々な成長が今年も感じられました。

 
 

秋篠宮さま:
あと、進学先については、今もう11月の末になりますので、そう遠くないうちに発表されることと思います。
それこそ進学先はいい教育をしてくれるところだといいなと、親としては思っています。

紀子さま:
進学先についての考えということですが、進学先については4年生、5年生頃からでしょうか、少しずつ話し合って、長男自身の考えや希望などを聞くことがありました。
学校でも進路について、様々に考える機会を設けてくださいました。
例えば、5年生のときにはお茶の水女子大学附属小学校の卒業生である大学生が小学校を訪ねて、そして自分たちが進路に対してどういう考えを持ったか、進んだ中学校、高校、大学でどういう生活をしていたか、そのように語る時間がありまして、そのときに子どもたちは、卒業生、自分たちの先輩にいろいろな質問をして、それにお兄さん、お姉さんたちが丁寧に答えてくださいました。
小学校のこのような時間以外にも、いろいろな中学校があって、特徴があって、カリキュラムや課外活動があることも知る機会がありました。

こうした中で、長男が自分の考えを深めることを大事にしてまいりました。
中学校でどのようなことを学びたいか、どのような活動をしたいか、今、学校や家庭でどのように過ごしたいか、そのようなことを長男はいろいろと考え、その意見や希望を聞きつつ、話し合い、進学先について考えてきました。

これからも長男の語る言葉に耳を傾けて、思いや気持ちを大事に受けとめられるよう、成長を見守っていきたいと思っています。

秋篠宮さま:
(今後の成長への期待について)
いろいろあると思いますし、なかなか期待というと本人にも重荷になることもあるので、どっちかというと、こうなってくれたらいいなと私が思っていることとして、その中の一つを挙げますと、どうしても何か物事を見るときに一面的に見がちなことがあると思います。

やはり様々なことというのは、いろいろな視点を変えて見ると全然違うところというのが出てきます。
私は長男には、何か物事を見るときに一面的ではなくて広い視野、多角的に見られるようになってほしいなという希望があります。

紀子さま:
小学生から中学生へと、おそらく学習環境や生活環境が大きく変わるところ、また、心身面の成長でも変化が見られる時期でもあると思いますので、少しずつ新しい生活に慣れていけるよう、また、子どもの成長を支えていけるように努めたいと思っています。

 
 

ーーこの1年を振り返り、印象に残る出来事とご感想をお聞かせいただきたい。

秋篠宮さま:
この1年もいろいろありました。
まず先ほどと少し重なりますけれども、自然災害が非常に多い年でした。それは地震もありましたし、台風もありましたし、それから豪雨もあったわけですね。

私自身はそれらの災害があった場所としては広島県に参りました。
まず最初に驚いたといいますか、広島の空港を出て、それから行った場所が坂町になります。済生会病院ですけれども。
高速に乗ったときにいろいろなところで土砂崩れ、大きい土砂崩れがあって、しかも道にも流されてきた木があって。
こういう場所だということをですね、普段なにげなく広島の空港から街中に出るときに高速道路に乗っていますが、改めてその地形をそのときに認識しました。

また、被害が大きかった小屋浦の方にも行きまして、そこで避難している人たちとも話をする機会がありました。
やはり避難している人たちにとってもこれほどの大きい災害になるとは思ってもいなかったという声が、何人かの人からありました。
確かに川の脇を歩いていると、その川の水量が上がって、しかも流木が流れてきたり、その他でもって大きい被害が出たわけですが、水の力というのがこれほどまでにすごいのかということを改めて私は認識しました。

そして、今後どのようにして防災そして減災をしていくかというのを、今、日本中どこでもその可能性はあるわけですので、それを考えていかないといけないということを再度思いを新たにしました。

また、今年は日本人がハワイに移住し150年になります。
私は今までハワイはトランジットでホノルルの空港しか知りません。

ですから今回現地に行って、それから日系社会の人たちと話をし、その人たちが小さかった頃の話(を聞いたり)、それから(日系社会の人たちは)今8世までいるわけで、 8世はまだ小さいお子さんでしょうけれども、その人たちが日本について思っていることであったりとか、様々なことを聞く機会になるとともに、本当にホノルルの近辺だけですけれども、音楽や歌、それから植物利用など、様々なことを私自身知ることができて大変良い機会だったと思います。

いろいろその他ありますけれども、今年はノーベル生理学・医学賞、本庶佑さんの受賞が決まりました。
最近は日本人で受賞する人も多くて、「今年も」ということになってくるんだと思いますが、もちろんそのいわゆる免疫チェックポイント阻害剤ですね、オプジーボ。
まだまだおそらく課題はたくさんあると思いますけれども、今後の悪性新生物に対する一つの柱になっていくことが期待されるのではないかと思います。

そして後は、先ほども日本人の活躍ということをお話ししましたが、若い世代の人が非常に活躍した年だったなと思います。
少しだけ例を挙げれば将棋で藤井聡太さんもそうですし、15歳でしたかね。
それから、オセロゲームも大幅に記録が更新されて11歳の福地啓介さんが世界タイトルを取られたという、そしてテニスの大坂なおみさんが日本人としては初めてグランドスラムの全米のシングルス優勝、その他もろもろオリンピック・パラリンピックもありましたし、いろいろな分野で若い世代の人たちの活躍が目立ち、これは本当に明るい話題だったと思います。

 
 

ーーお代替わりに関する日程や規模について決まりつつありますが、即位の行事や儀式についてのお考えは。

秋篠宮さま:
代替わりに伴う行事で、いわゆる国事行為で行われる行事、それから皇室の行事として行われるものがあります。
国事行為で行われるものについて、私が何かを言うことができるかというと、なかなかそういうものではないと思います。そういうものではないんですね。

一方、皇室の行事として行われるものについてはどうか。これは、幾つかのものがあるわけですけれども、それについては、ある程度、例えば私の考えというものもあっても良いのではないかなと思っています。

ーー具体的には

秋篠宮さま:
具体的にもし言うのであれば、例えば、即位の礼は、これは国事行為で行われるわけです、その一連のものは。

ただ、大嘗祭については、これは皇室の行事として行われるものですし、ある意味の宗教色が強いものになります。
私はその宗教色が強いものについて、それを国費で賄うことが適当かどうか、これは平成のときの大嘗祭のときにもそうするべきではないという立場だったわけですけれども、その頃はうんと若かったですし、多少意見を言ったぐらいですけれども。
今回も結局、そのときを踏襲することになったわけで、もうそれは決まっているわけです。

ただ、私として、やはりこのすっきりしない感じというのは、今でも持っています。
整理の仕方としては、一つの代で一度きりのものであり、大切な儀式ということから、もちろん国もそれについての関心があり、公的性格が強い、ゆえに国の国費で賄うということだと。
平成のときの整理はそうだったわけですね。

今回もそうなわけですけれども、宗教行事と憲法との関係はどうなのかというときに、それは、私はやはり内廷会計で行うべきだと思っています。今でも。
ただ、それをするためには相当な費用が掛かりますけれども。

大嘗祭自体は私は絶対にすべきものだと思います。ただ、そのできる範囲で、言ってみれば身の丈にあった儀式にすれば。
少なくとも皇室の行事と言っていますし。そういう形で行うのが本来の姿ではないかなと思いますし、そのことは宮内庁長官などにはかなり私も言っているんですね。

ただ、残念ながらそこを考えること、言ってみれば話を聞く耳を持たなかった。そのことは私は非常に残念なことだったなと思っています。

 
 

ーー眞子様と小室さんの御結婚に関する質問の答えの中、「相応の対応」という言葉がありましたたが、これは、お二人の結婚の意思が今も非常に堅く、そのお気持ちを今後も支えていかれるというふうに受け止めてもいいのか。

秋篠宮さま:
それとは少し違い、それを支えていくという意味でお話ししたのとは違います。
あの時の質問は、おそらく小室さんについての報道のことと、それから連絡を受けてというそれについての私の答えでしたけれども、やはりそれ相応の対応というのはこちらの対応ではなく相手側の対応ですね。
その後にお話ししましたように、やはりきちんと、どういうことなんだということを説明をして、そして多くの人に納得してもらい喜んでもらう状況を作る、それが「相応の対応」の意味です。
 

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