9月に行われた新製品の全国コンテストで、高知市の企業が作ったノンアルコールドリンクが大賞に輝いた。グラスの中でサクラサク、新感覚の商品を取材した。
桜は一輪ずつ手摘みで そのお味は
薄ピンク色のソーダを注ぐと、グラスの中で桜が咲いた。その名も「土佐クラフトソーダ さくら咲く! 桜スパークリング Premium」。
この記事の画像(8枚)9月に東京で行われた全国的な新製品コンテストのビバレッジ部門で、27商品の中からこの桜スパークリングが大賞に選ばれた。
作ったのは、高知市知寄町でギフト販売やフードプランニングを行う企業「G&F」。
実はこの企業、2月の全国コンテストでは高知県宿毛市特産のかんきつ「直七」を使った炭酸飲料で準大賞を受賞している。「直七スパークリング」は受賞を追い風に、月に全国で2000本を売り上げるヒット商品となった。
「直七」に続く新商品をと開発を担当したのが、取締役COOの矢野貴久さん。
G&F 取締役COO 矢野貴久さん:
今回、大賞を目指すのに何かいい素材というところで「映えるもの」で考えた。中越さんの顔が浮かんで、八重桜のスパークリングを作ろうと
中越さんとは、高知県梼原町でサクラの花びらを使った加工品を作っている中越孝子さんだ。無農薬・無添加にこだわり、摘み取りも洗浄も全て手作業で丁寧に行っている。
2022年春から中越さんとともに構想を重ね、コンテスト1カ月前の8月に完成。ボトルにはシロップ漬けの八重桜が1輪添えられていて、グラスの中で花開くという演出が会場でも目を引いた。魅力は見た目だけではない。
野村舞アナウンサー:
キレイ!いただきます。初めての味わいです。甘さはすっきりしていて、炭酸がはじけるたびに自然の桜の香りが広がります。記念日に飲みたいドリンクです
気になる価格は1本195ml入りで734円。簡単に手に取れる金額ではないが、コンテスト後に東京の高級スーパーや百貨店などからひきあいがあり、初回に作った500本は全て販路が決まったそうだ。
高知県産品の魅力を全国の人に知ってもらいたいと話す矢野さん。桜スパークリングにはこんな思い入れがある。
G&F 取締役COO 矢野貴久さん:
桜は機械で刈ることはできないので、農家の方や町内の方が満開の時期に一輪ずつ手摘みで丁寧に摘んでいて、思いがこもっている。その思いを全国に乗せて持っていけたら
「桜スパークリングPremium」の高知県内での一般発売は2023年春を予定している。サクラの花びらの加工は全て手作業で数も限られているため、今のところ多くて年間5000本ほどの生産になるのではと見込んでいる。
(高知さんさんテレビ)