大分県日田市にあるJR夜明(よあけ)駅。久大本線と日田彦山線の分岐駅だ。
日田彦山線の日田から添田の間は、2017年の九州北部豪雨で被害を受けて以来、不通になっていて、現在は代行バスによる輸送が行われている。
日田彦山線が使っていた夜明駅の3番線は全く使われていない状態だったが、8月にお客さんを乗せる最後の列車が入った。その様子を取材した。
被災した線路で特別ツアー開催
2017年の九州北部豪雨。日田彦山線は大きなダメージを受けた。

福岡県の添田駅と大分県の日田駅を結ぶ区間は、現在も代行バスが走っている。

添田駅と日田駅の間は2023年の夏、新たにBRT「ひこぼしライン」が開業することになっている。BRTとはバス高速輸送システムのことで、一部バス専用道路を走り、速さと正確さが特徴だ。
日田駅から久留米方向に2つ目、小さな無人駅の「夜明駅」。駅名の美しさで知られている駅でもある。

1番線、2番線は久大本線で、日田彦山線が出入りしていたのは3番線。ここだけ5年間、時が止まっている。

もう使われることがないと見られていた3番線だが、8月27日と28日の2日間、この3番線を発着するJRの特別ツアーが開催された。
ファン感無量 列車の車窓はBRTで復活
5年ぶりの、そしてこれが最後となる、日田彦山線夜明駅3番線。特別ツアーの日、駅にはたくさんの鉄道ファンがやってきた。
鉄道ファン:
入線するところを撮りたいなと思って、福岡からやってきました。寂しい気持ちではありますね、鉄路がなくなるって…

駅で待ち構えていた鉄道ファン、そしてツアーの参加者が3番線最後の列車を写真に収める。
佐賀県から訪れた男性:
感無量。これが最後というとちょっと残念で仕方がないんですけど、仕方のないこと。今度からBRTも楽しみに、ここを訪ねてきたいと思います

今回のツアーの行程のひとつに、2023年夏に開業のBRT「ひこぼしライン」の工事現場を巡るバスツアーがあった。
福岡県東峰村にある筑前岩屋駅そばの釈迦岳トンネル。かつて列車が走ったこのトンネルを今度はバスが走る。高さ20m、長さ70mの栗木野橋梁もめぐる。棚田が広がる車窓もBRTで復活予定だ。

夜明駅3番線にもう列車が走ることはないが、地域の思いを乗せたBRTは2023年夏に開業予定。
(テレビ大分)