原材料価格の高騰や円安などの影響で様々な商品が値上がりする中、いま「中古品」が売り上げを伸ばしている。家電やスマートフォンなど、大分県内でも活気を帯びる中古品市場を取材した。
10年で倍に 成長続ける中古市場
新品よりも価格が安いことなどが魅力の中古品。その市場規模は年々拡大している。
街の人:
新品か中古かよりも安さをとる。古着とか買ったりして。安くてもいいものがある。中古でもきれいだったりすれば全然いいと思う。

業界紙が行った調査によると、中古品の市場規模は2010年に年間約1兆1450億円だったが、2020年には約2兆4000億円に。10年間でおよそ倍にまで成長した。さらに2022年は3兆円に達すると予想されている。
ニーズの高まりで販売規模を拡大
大分県内でもニーズが高まっているのが「中古家電」だ。大分市の家電量販店では洗濯機や冷蔵庫、テレビの中古品に加えて、全国の系列店で展示していた商品をアウトレット品として販売している。

洗濯機は新品だと7万円から8万円が相場だが、2万円台で購入することができることも。
物価高などを受けて需要が高まっているとして、7月に販売スペースを1.5倍に拡大。約300点を販売している。
ヤマダアウトレット皆春店 藤川正弘店長:
全国の店舗で買い取った商品を群馬の工場で点検・清掃して、それを各店で販売している。中古商品は7月前年比で2倍、8月前年比4倍ペースで販売につながっている。
値上がり続くiPhoneも中古で
また、最新機能よりも“価格重視”で買う人が増えているのが中古のスマートフォンだ。カメラのキタムラでは、7月からスマートフォンの中古品の販売を始めた。
スマートフォンも新品の価格は値上がりしていて、IT大手・アップルの公式サイトによると、iPhoneは7月に4万円値上げされた機種もあり、iPhone13Proは販売価格が約15万円から。
こちらの店で販売されているものは最新機種ではないが、日常で使うには機能は十分だとしていて、定価よりも3万円ほど安いものもあるそうだ。

取り扱いを開始して以降、客の反応は上々だという。
カメラのキタムラ 大分萩原店 高橋圭店長:
中古品販売を望む声もたくさんあった。新品のスマートフォンの値段が高くなっている現状も踏まえて、中古の販売が伸びるのではという狙いがある
盛り上がりを見せる中古市場。物価の高騰は落ち着く気配を見せておらず、中古品の人気は今後も続きそうだ。
(テレビ大分)