2022年の夏は、東北や北陸など日本各地で記録的な大雨となった。
大分県内でもこれまで、度々大きな水害に見舞われてきた。今回は、その時の教訓を風化させないために活動する、日田市の団体を紹介する。
大雨は「毎年毎年来ると思って」

訪ねたのはNPO法人「ひた水環境ネットワークセンター」の河津勇成さん。この日は市内の自治会長約70人を招いて、防災講演会を開いていた。

河津さんが防災に関する活動を始めたきっかけは、2度の九州北部豪雨。2012年と2017年に発生し、日田市内に大きな爪痕を残した。
河津勇成さん:
50年に1回とか100年に1回の大雨が、5年おきにくる。だから僕らは毎年毎年来ると思って、今こういう活動をさせていただいてます
“日頃の備えの大切さ”を発信
被害を目の当たりにした経験から「日頃からの備えの大切さ」を痛感したという河津さん。以来、防災に関する情報発信に積極的に取り組んでいる。
たとえば、川の氾濫の危険性が高い7つの地区の住民に向けては、動画を制作。地域の人がそれぞれの場所の気を付けるべき点を、アナウンスしている。

河津勇成さん:
地域の方が、知ってる人が言ったら逃げようかなと思ってくれるんじゃないかと
氾濫前に避難した人は2割に満たず…被害を忘れぬよう映像マップ作成
一方で2020年の7月豪雨の際には、天瀬地区の玖珠川(くすがわ)が氾濫したが、大分大学の調査によると、氾濫前に避難をした人は2割に満たなかったという。
こうした状況を受けて河津さんたちは、「水郷ひたの川マップ」を作成・公開した。

インターネット上で公開していて、地図上にあるマークを押すと、5年前の九州北部豪雨の時にその場所で撮影された動画や写真を見ることができる。

大雨でその場所がどういう状況になったのかが分かるため、災害の危険な状況を知ってもらい、そうなる前の早めの避難に繋げて欲しいという狙いだ。
河津勇成さん:
地図に載せれば、ここはいつも僕らが通っている通学路だとか、通勤で通る道だというのが分かる。
皆さん忘れるんですよね、その時の様子を。なんとかそれを、皆さんの意識を上げたいと思っている
(テレビ大分)