旧統一教会と関係深い“日韓トンネル”　信者「献金使われていると認識」かつて推進していた自民党安倍派・衛藤議員を直撃

旧統一教会の関連団体「国際ハイウェイ財団」が深く関わる日韓トンネル。その構想は政治とどう結びついているのか。自民党安倍派、清和会の最高顧問を務める衛藤征士郎衆院議員を直撃した。

韓国で大規模デモ　現地在住の日本人信者に取材

8月18日、韓国・ソウル近郊の集会会場に大型バスが続々と集まった。

仲村健太郎特派員：
すごい数のバスです。ざっと50台ほどでしょうか、駐車場を埋め尽くしています。会場に到着したバスから続々と、信者とみられる人が降りてきました

バスから降りて来る女性たちのほとんどが、旧統一教会＝世界平和統一家庭連合の日本人信者とみられている。

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女性たちが入っていった建物では集会が行われ、参加者によると、韓鶴子総裁が「日本の今の状況も時がたてば過ぎていく」などと演説をしたという。

仲村健太郎特派員：
旧統一教会による抗議集会には、ものすごい数の日本人信者らが参加しています

日本人信者たちはソウル中心部へと場所を移して、日本での教団批判に抗議する大規模デモを行った。

信者たち：
歪曲報道、宗教弾圧糾弾しろ、糾弾しろ

安倍元首相の銃撃事件後、一気に明るみとなった旧統一教会と政治のつながり。

旧統一教会の関連団体「国際ハイウェイ財団」が深く関わる日韓トンネル。佐賀県唐津市から長崎県壱岐市、対馬市を経て韓国・釜山までを結び、総工費10兆円ともされる巨大プロジェクトだ。

実現に懐疑的な声もある中、教団の信者はどう見ているのか。日本のメディアには固く口を閉ざす韓国在住の日本人信者数人から、取材のみという条件で話を聞くことができた。

韓国在住の日本人信者：
日韓トンネル構想はとても素晴らしいと思いませんか？日本と韓国を車で行き来できるようになるんですよ

韓国在住の日本人信者：
事業に直接投資をしていなくても、私たちの献金が使われていることはみんな認識していると思います

ーー日韓トンネルがいわゆる“集金装置”になっているとの見方もあるが？

韓国在住の日本人信者：
先生（文鮮明氏）は、絶対にそんなつもりで始めたわけではないと思います。平和と日韓友好のために進めてきたのに残念です

衛藤征士郎議員を直撃「日韓両国の国家事業として」

日韓トンネル構想は政治とどう結びついているのか。自民党安倍派、清和会の最高顧問を務める衛藤征士郎衆院議員を直撃した。

衛藤議員は2008年に発表された清和会の政策集で、日韓トンネルについて「プロジェクトへの投資価値は大きい」と提言。また、同じ時期に結成されていた日韓トンネル推進議連の会長も務めていた。

衛藤征士郎衆院議員：
日韓トンネル構想は1930年代からあった。1981年に旧統一教会の教祖の文鮮明氏が提案をして、いかにも旧統一教会の提案、主導によるものと言われているが、そうではない

衛藤氏は、戦前からあった日韓の海底トンネル構想を日本と韓国が国家的プロジェクトとして実現するように推進してきたという。しかし、現実は旧統一教会の関連団体を主体に日韓トンネル構想が進んでいる。この現実については…。

衛藤征士郎衆院議員：
研究会か財団か知りませんが、それはそれとしてやっていることではあるが、それについてこちらが何かブレーキをかけたり、そんなことは何もしません。どうぞやってください

衛藤氏らの推進議連はすでに解散していて、解散理由の1つには旧統一教会の活動が関係していると明言する。

衛藤征士郎衆院議員：
我々は韓国の国会議員にも懸命の働きかけをしたが、韓国側はB/C（費用対効果）のコストから非常に冷ややかだった。もう1つは、旧統一教会がいかにも自分たちのイニシアチブ（主導）でやっているんだということが前面に出てきた。これは我々の言う両国政府の国家的プロジェクトの思惑から外れてしまうとの事で、私どもの日韓トンネル推進議連は解散した