みずほ銀行が日銀に預けている当座預金残高の一部に、初めてマイナス金利が適用されたことがわかった。
現在、銀行は、日銀に預ける当座預金の残高が一定額を超えると、利子を得る代わりに、手数料を支払わなくてはならなくなる。
これは「マイナス金利」と呼ばれ、日銀への預金が各行ごとに決められた額を超えると、日銀が0.1%分を徴収するのだ。銀行が日銀にお金を預ける代わりに、企業などに積極的に融資するよう促す狙いがある。
日銀が発表した、7月から8月の都市銀行の当座預金残高のうち、マイナス金利が適用される分は9030億円。みずほ銀行によると、このほぼ全額がみずほの預金だという。

日銀が続ける金融緩和で金利が低下し、お金の運用が難しくなるなか、マイナス金利をかけられても日銀に預けるほうが損失が少ないと判断したという。今回のマイナス金利による負担は7000万円程度の見込みで、みずほ銀行は「預金者の負担が増えることはない」としている。
世界各国では、物価上昇を抑えるため利上げを急ぐ動きが加速しているが、回復が遅れる景気を下支えするため、低金利を維持する日本は、国際的な潮流から取り残される姿が鮮明になっている。
銀行の資金運用が難しくなり、手数料のかかる日銀にお金を預けておかざるを得なくなった今回の事態。日銀の金融緩和の副作用が一段と目立つようになってきた。
(経済部 日銀担当 茅野朝子)