動画共有サイトの「YouTube」が、動画配信サービスを扱うオンラインストアの立ち上げを計画しているとアメリカメディアが報じた。

早ければ今秋から利用可能に

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、「YouTube」は動画配信サービスを扱うオンラインストアの立ち上げに向けて、関連企業と協議を進めている。

この新しいオンラインストアは「チャンネルストア」と呼ばれ、「YouTube」以外に複数ある動画配信サービスを自由に選択できる仕組みで、早ければ2022年秋ごろから利用が可能になる見込み。

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動画配信サービスの競争が激しさを増す中、今回報じられた計画は新たなユーザー獲得を狙うエンターテインメント企業にとってメリットがあると指摘されている。

各社との交渉とユーザー体験がカギ

Live News αでは暮らしを変えるテクノロジーに詳しいIoT NEWS代表の小泉耕二さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
YouTubeがオンラインストアの立ち上げを計画しているということですが、どうご覧になりますか?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
既にYouTubeの中には「映画と番組」というコーナーがあり、ここではYouTubeが提供する映画やドラマなどを「購入」または「レンタル」 することができます。まだ不明な点が多く、あくまで予測ですが、今回の計画は利用者が1つの作品を選んだ時、Netflixなど複数の配信事業者から好きな視聴サービスを選べるようになるというメリットがあるのではないかと思います

三田友梨佳キャスター:
ユーザーに作品を届けるインフラを自社で整備しているストリーミング企業にとって、あえてYouTubeの中で見られるようにするメリットはどういったところにありますか?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
このサービスが始まることで、月間約20億以上のユーザーが利用するYouTubeで予告や第1話を無料で見ることなどが出来るようになると思います。そして、それが自社サービスで視聴できることが利用者に伝わるので、新規顧客獲得のきっかけとなるのではないかと思います

三田友梨佳キャスター:
今回の試みを成功させるためにクリアすべき課題があるとすると、どんな点がありますか?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
当然、複数のオンラインストリーミング事業者との交渉がうまくいく必要があります。実際にディズニーやNetflixなどがこういうサービスに乗ってくるのか、といったところが大きなポイントになりそうです。もし、全世界的にこのサービスを展開するとしたら、 既に同じようなサービスを行っている Amazon Primeのような有料コンテンツに絞ったサービスにするのか、それとも従来からYouTubeがやっているユーザーが作るコンテンツ配信の中に、関連動画として表示し、利用者との接点を増やしていくのか。ユーザー体験の作り方いかんによっては、このサービスの明暗が分かれそうです。検索エンジンのGoogleの関連企業であるYouTubeが、数多くある有料コンテンツとユーザーが作ったコンテンツをうまくミックスさせ、利用者にとって見たいコンテンツをどのように心地よく探せるようにするのか、そういう新しい体験価値の創出にも注目したいです

三田友梨佳キャスター:
早ければこの秋にも始まる可能性もあるということで、今後の発表が注目されます

(「Live News α」8月15日放送分より)